京都ダート1800m 過去3年のコース総論（傾向まとめ）
枠番（内外）傾向
過去3年の枠別成績では、勝率は6〜9%程度で大きな格差はないものの、6枠・8枠の勝率がやや高め（6枠9%、8枠9%）で、回収率面では7枠の単勝回収率が高め（156%）などの例外もあります。つまり枠は絶対的な決め手にはならないが、中枠〜外め（6〜8枠）に好走例が多い点は押さえておきたい。
脚質別傾向：先行優勢
脚質別では明確に先行（勝率15%、連対率31%、複勝率44%）が優勢。逃げは勝率21%と高く、先行・逃げ合わせて前で運べる馬が特に有利です。一方、差しは勝率低め（4%）で、追い込みも厳しいため、前で脚を使えるタイプが京都ダ1800mで結果を出しやすい傾向が強い。
騎手・調教師データの有意差
騎手ではC.デムーロ（騎乗馬: マルチャレアル）が33%という突出した勝率を記録。川田将雅や西村淳也も堅実（川田18%、西村10%）で、騎手の力量が結果に直結するコースと言えます。調教師では上村洋行（テーオーグランビル担当）が勝率22%と高く、斉藤崇史（マルチャレアル）も19%と好成績を出しているため、騎手・調教師のコース適性は大きめに評価する価値があります。
種牡馬・母父の傾向
種牡馬ではシニスターミニスター（カネトシゴウト）やキズナ（ヒロノラメール）がダート重賞で好走率が高い。特にシニスターミニスターは勝率18%・複勝率39%と安定感が高く、母父ではキングカメハメハやフレンチデピュティなどが複数好走。血統面がコース適性の指標になるケースが多く、ダート短中距離での実績種牡馬の存在は加点要素です。
出走全馬の注目ポイント
- サイモンブーケ（1）：コース実績乏しいが中1週での成績は良好（中1週で高勝率サンプルあり）。ただ京都ダ1800mで未勝利。斤量56kg。
- カネトシゴウト（2）：京都ダ1800mで複数勝利、距離適性高い。シニスターミニスター×キングカメハメハ系の背景。高杉騎手騎乗。安定的な先行力が魅力。
- クラウンシエンタ（3）：距離実績良好（ダ1800の成績高い）、丹内騎手でコース未出走だが距離適性は◎。
- クレメダンジュ（4）：京都ダ1800mで1勝、調教師鈴木の成績良好。馬体や直近間隔により上昇の可能性。
- テーオーグランビル（5）：騎手岩田の継続で好走例あり。調教師上村の京都ダ1800での好成績はプラス。
- ニューステソーロ（6）：コース実績ほぼ無し、データ上リスク高め。
- ジュタロウ（7）：逃げ脚質だがコース実績少ない。逃げ馬は有利なケースあり。
- ニホンピロハーバー（8）：京都で掲示板経験あり。脚質は差しでやや厳しいか。
- キュールエフウジン（9）：追い込み主体、京都では成績いま一つ。
- ヒロノラメール（10）：京都ダ1800で複数勝利、キズナ産駒の距離対応が良く西村騎手起用で安定感有り。
- マルチャレアル（11）：京都ダ1800で圧倒的成績（3勝のデータ）、C.デムーロ騎乗、ただしレース間隔が「1年以上」で状態面は要注意。
- ホルトバージ（12）：京都ダ1800で複数複勝、川田騎乗で期待値高い。母父Zensationalの少サンプルだが成績は良好。
- パカーラン（13）：ダ1800で好成績、斤量58kg時に良績。配当妙味あり。
- オンザライン（14）：京都で成績乏しく、データ上は評価が下がる。
◎ 本命候補 — カネトシゴウト（2）
総合評価（短評）：データ上の安定感・同コースでの再現性が高い「王道本命」。先行脚質と京都ダ1800mでの複数勝利、種牡馬・母父傾向まで一致しており、騎手の適合度も良好。
詳しい理由（データ反映）：
- 京都ダ1800での実績が卓越：コース実績欄で当馬は「京都ダ1800m 1着1回、2着2回、出走3回」など高い勝率と複勝率（データ箇所: コースデータ行）を示しています。これは京都ダ1800mでの再現性が高いことを意味します。
- 脚質がコース傾向と合致：過去3年の脚質データでは先行が極めて有効（勝率15%、複勝44%）。カネトシゴウトは先行タイプで、コース特性とマッチしている点は非常に大きな加点。
- 種牡馬（シニスターミニスター）と母父（キングカメハメハ）：種牡馬側の京都ダ1800mでの勝ち星・複勝率が高く、母父キングカメハメハも安定した成績。血統面がダート中距離で好結果を出す組合せになっている。
- 騎手・調教師の信頼性：高杉騎手は該当コースでの勝率・回収率に良い値を残しており、調教師（大橋勇樹）はコースでの勝率・連対率が高い。騎手・調教師の組合せが「安定路線」である点は勝ち切る確率を上げる。
- レース間隔：中2週とやや間隔が詰まっているが、過去データでは同様のサイクルでも好走歴あり（中2週での勝率の高さがある馬の一例）。調子面で大きく崩れない点も強み。
- オッズと回収率：単勝人気は1番人気想定（オッズ3.8）。過剰人気とも言える水準ではないため、実力と人気のバランスも良好。
総評：同コース・同距離での「勝ち切る」経験、先行で粘り込む脚質、種牡馬・母父・騎手・調教師の好マッチング —— これら複数の指標で安定して高評価を示しており、データスコア1位の本命候補に最適です。
○ 対抗候補 — マルチャレアル（11）
総合評価（短評）：データ上の爆発力と信頼性が極めて高い「対抗」。特に京都ダ1800mでの圧倒的な過去成績（3勝）と騎手C.デムーロの好相性は無視できない。ただしレース間隔が「1年以上」という点は大きな懸念で、ここがどう影響するかがポイント。
詳しい理由（データ反映）：
- 京都ダ1800mでの圧倒的成績：出走履歴で「京都ダ1800m 3勝、出走3回、勝率100%、複勝率100%」というデータは極めて強力。コース適性と再現性の面で非常に優れている。
- 騎手がC.デムーロ（コース勝率33%・連対50%・複勝58%）：騎手データは該当コースで突出しており、騎手の差は結果に直結しやすい。この点は大きなプラス。
- 調教師（斉藤崇史）の成績も良好：調教師側の勝率/複勝率が高く、馬の仕上げ面・レース選択でプラスに働く可能性が高い。
- 課題：レース間隔（1年以上）：1年以上のブランクは稽古と実戦感のズレが生じやすく、仕上がり具合に不確定要素がある。交わせる体力・本番度合いが未知数。
- オッズと回収性：想定オッズは4.4で人気上位。勝ち切る可能性は高いが、休養明けの減点をどれだけカバーできるかで評価が分かれる。
総評：コース適性と騎手・調教師の布陣は勝つための条件が揃っているが、長期休養明けの不確定要素があり“本命”を上回る決め手には至らず。だが対抗としての信頼度は非常に高い。
▲ 単穴候補 — ヒロノラメール（10）
総合評価（短評）：京都ダ1800での勝ち鞍があり、キズナ産駒としての中距離適性も示す。先行〜好位差しの脚質対応力があり、展開がハマれば一撃まである実力派。
詳しい理由（データ反映）：
- 京都ダ1800での実績が強い：コース成績は「2勝・1着以外の好走あり」で、勝率33%、複勝率50%とコースへの適合度が高い。数字的には◎〜○級の実績を示す。
- 種牡馬キズナの好走率：キズナ産駒はこのコースで勝率・複勝率が高く、スピード持続力に優れる。ヒロノラメールの脚質と相性が良い。
- 騎手の成績（西村淳也）：西村騎手はコースで堅実な騎乗が目立ち、勝負所での押し引きに安定感がある。斤量58kg時での良績も複数あり。
- 脚質と展開適合：先行と好位での立ち回りが可能なため、先行優勢のコース傾向に乗れる点で優位。逃げ馬が居る場合は番手で脚を溜めて差し切るシナリオも想定可能。
- リスク：人気はやや下（6.5想定）で、上位2頭に比べれば能力評価で一段落ちるが、展開次第で勝ち切る力は十分。
総評：展開が前崩れ・逃げ残り型にならなければ、先行力を活かして上位に粘れる実力があり、単穴として有力。複勝圏内の安定感もあるタイプ。
△ 連下候補 — テーオーグランビル（5）
総合評価（短評）：調教師上村の好成績と騎手岩田の実績を背景に「安定して掲示板に載る」タイプ。コース直結型ではないが、距離適性と調教師信頼感で押さえたい一頭。
詳しい理由（データ反映）：
- 調教師の高い勝率（上村洋行）：上村厩舎はこのコースで非常に良い結果を残しており、ローテや仕上げを含めて信頼度が高い。
- 騎手岩田望来の安定感：岩田騎手は該当データで高い勝率を持ち、追い上げや位置取りの判断が的確。馬と騎手の相性が良ければ上位に残る力はある。
- 距離適性：ダ1800での実績は限定的だが、広くダート中距離での安定感あり。クラス成績では上位に突っ込む確率は高い。
- リスクと利点：決め手で劣る場面もあるが、崩れにくい成績が目立つため連下（掲示板）に入る可能性は高い。
総評：妙味のある中堅安定タイプ。上位拮抗の展開で着実に差を詰める。単勝的妙味は薄いが、馬券圏内候補としての信頼度は高い。
☆ 穴馬候補 — パカーラン（13）
総合評価（短評）：人気は落ち着きがちだが、ダ1800での好成績と斤量58kgでの高勝率（過去サンプル）を持つ。配当妙味の高い「データ穴」。
詳しい理由（データ反映）：
- 距離での結果が良好：ダ1800での勝率・複勝率が高く、ロングスプリント型で粘りが効く。
- 斤量実績が好内容：58kg時の勝率が高く、重めの斤量で力を発揮するタイプはベテランの競馬で安定してくる。
- 種牡馬/母父の特徴：イスラボニータ産駒はコースのタフさに対応する事例があり、上手くハマれば高配当の期待値がある。
- リスク：コース内での勝ち切り実績は上位馬に比べれば劣るため、展開次第での一撃狙い。
総評：人気を落としがちな分、単勝や複勝での回収率が期待できる穴馬。展開が向けば大幅に旨味が出るタイプ。
注 注意候補 — ホルトバージ（12）
総合評価（短評）：京都ダ1800で複数の複勝圏実績を持ち、騎手に川田を確保している点が大きな加点。ただし種牡馬・母父のサンプルが少ないため「注意候補」として評価。
詳しい理由（データ反映）：
- 京都で複勝率高さ（コース成績）：京都ダ1800の複勝率が高く、コース適合度は信頼可能。
- 騎手（川田将雅）の存在：川田はこのコースで高い勝率と複勝率を持っており、騎乗で一変の可能性がある。
- 母父Zensationalの特殊性：サンプル数は少ないが、該当時期において高い複勝回収率を示したケースがある。見方を変えると「狙い目」にもなる。
- リスク：種牡馬の当該コースデータが低めで、勝ち切るための安定性は不足している。
総評：穴と中堅の間を行く存在。騎手の手腕で浮上すれば上位進出の可能性十分。データ上は「注記して押さえる価値あり」。
特 特注候補 — クレメダンジュ（4）
総合評価（短評）：中位評価ながら調教師鈴木の好成績、コース実績と斤量面のアジャストで“隠れ一変”が期待できる伏兵。
詳しい理由（データ反映）：
- 京都ダ1800での実績あり：コース1勝、3着複数など実績は中位だが決して侮れない。再現性はある。
- 調教師（鈴木孝志）の高勝率：鈴木調教師はこのコースで勝率・複勝率が高く、仕上げの妙で一変するケースが多い。
- 斤量とレース間隔の好条件：中1週などのローテで好走した事例があり、今回のローテが合えば一発まである。
- リスク：脚質的に差し寄りで先行有利のコースでは厳しい面も。だが騎手の乗り替わりや仕上げ次第で上がり目がある点を評価。
総評：順位は中位だが、臨戦過程（調教師の仕上げ）や騎手の戦術変化で大きく浮上する可能性のある「特注」。人気不問で一発狙い向け。
レースで想定される展開パターンと各馬のベストポジション
- 先行主導の速いペース：カネトシゴウト、ヒロノラメールあたりが好位〜先行で折り合えて、そのまま押し切るシナリオ。逃げ馬ジュタロウが積極的にハナに行けば、番手の差し馬が利を得る場面あり。
- スローペースの瞬発戦：前で脚をためた馬の末脚勝負。差し・追込も届くが、データ的には先行優勢なので不利な条件。
- 混戦の際の上がり勝負：マルチャレアルはコース経験と騎手力で瞬発を生かす。ヒロノラメールとテーオーグランビルは位置取り次第で上位に絡む。
各馬の「理想ポジション」：
- カネトシゴウト：好位〜先行（逃げとマッチ）
- マルチャレアル：好位からの仕掛け（休み明け次第）
- ヒロノラメール：先行からの押し切りor直線差し
- テーオーグランビル：中団〜上がり重視で差す
- パカーラン：先行〜好位で粘り込み
- ホルトバージ：中団からの差し
- クレメダンジュ：中団で位置取りを決めて上がり勝負
枠順・斤量が結果に与える影響
- 枠順：今回のデータ全体では極端な枠不利は見られないが、6〜8枠が勝ちやすい傾向があるため、外寄りでも問題なし。内枠有利というよりは優れた枠からの差は小さい。
- 斤量：58kgでの好成績を示す馬（パカーラン、ヒロノラメール、マルチャレアル等）は、負担斤量があっても力を出す傾向がある。逆に軽めの56kgの馬は一発があるが安定性はやや低い。
想定配当妙味・注目点まとめ
- 堅め想定：カネトシゴウトとマルチャレアルが中心の決着は想定範囲。両者の力量差は小さく、休養明けの状態だけが鍵。
- 高配当シナリオ：ヒロノラメールやパカーランが展開でハマると中穴〜大穴の配当に。特にパカーランは穴馬として回収率の妙味が高い。
- 注意点：マルチャレアルは「1年以上の休養明け」が最大の不確定要素。仕上げ具合の見極めが重要。
結論 総合ランキング
以下、データ総合評価に基づく最終7頭：
- ◎ 本命：カネトシゴウト（2） — 京都ダ1800での豊富な実績、先行脚質・種牡馬・騎手・調教師の好相性で最も総合点が高い。
- ○ 対抗：マルチャレアル（11） — 圧倒的コース実績と騎手C.デムーロの好相性。ただし1年以上の休養明けという不確定要素があり対抗評価。
- ▲ 単穴：ヒロノラメール（10） — キズナ産駒でコース適性良、先行力で展開次第では一撃あり。
- △ 連下：テーオーグランビル（5） — 調教師・騎手の信頼度で安定。掲示板争いに強い。
- ☆ 穴馬：パカーラン（13） — 距離適性と斤量実績で配当妙味高し。狙う価値あり。
- 注 注意：ホルトバージ（12） — 川田騎手の起用で上がり目。コース複勝率が高く注意。
- 特 特注：クレメダンジュ（4） — 調教師の仕上げや騎手の腕で一変が期待できる伏兵。
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