京都ダート1800m:過去3年の主要傾向
コースデータから、京都ダ1800mの主要傾向は次のように整理できます。
- 枠傾向:6枠・8枠の勝率がやや高め(6枠勝率9%、8枠勝率9%)。特に6枠は複勝率25%と安定感あり。内枠(1〜3枠)は勝率6%〜7%だが連対率は内外で大差はない。
- 脚質傾向:注目すべきは逃げ・先行優勢。過去集計で逃げの勝率21%、連対率36%、複勝率45%と非常に高く、単勝回収率も高い(328%)という“逃げが決まりやすい”コース特性が明らかです。先行も勝率15%・複勝44%と堅実。差し・追い込みは勝ち切るのが難しく複勝率も低め(差し16%)。
- 騎手・調教師傾向:騎手の成績では岩田望来(パイロマンサー騎乗)が突出(勝率14%、複勝32%)で、騎手の能力差が着順に直結するケースが多い。調教師では高柳大輔(ワンダーディーンの調教師)が勝率18%・複勝34%と好成績。
- 種牡馬・母父傾向:種牡馬ではサンダースノー、パイロ、ルヴァンスレーヴなどが好成績。母父ではゴールドアリュール、マンハッタンカフェ、ディープスカイなどダートやスタミナ系の母父が好相性。
結論:京都ダ1800mは逃げ・先行有利、騎手・調教師の力量が結果に直結する。種牡馬や母父のダート適性も着順に影響するため、展開(逃げ馬の存在)、騎手の積極性、馬自身の先行適性を重視します。
枠順傾向
過去3年の枠別成績を見ると、6枠と8枠の勝率・複勝率が相対的に高く、回収率も悪くない数値を示しています。これは京都ダ1800mのコース形状(内回りとスタート位置・コーナーの取り回し)に起因する可能性があります。外枠からでも上手く好位を取れる脚質の馬はプラス評価となります。
- 外枠(6〜8枠):勝率・複勝率ともに優位。特に6枠は出走数も多く信頼性あり。
- 内枠(1〜3枠):勝率はやや低いが連対率はそこまで崩れず、先行馬が入れば内枠の利を活かせる可能性あり。
実戦的示唆:先行脚質で内枠を引いた馬は「経済的に先行できる」ため好走期待。逆に差し馬は外枠からスムーズに加速できる場合に一発。
脚質別傾向の重要ポイント
データ上、逃げ33〜先行が圧倒的に有利です。逃げなら勝率21%と高く、単勝回収率も非常に良好(328%)。差し・追い込みは成績が厳しく、勝ち切る確率は低い(差し勝率4%)。
- 逃げ馬:積極策を取れる馬がいると着順大幅に有利。逃げ宣言の馬が複数いるとペースが流れる場合もあるが、それでも前有利のコースなので先行有利は継続。
- 先行馬:好位から構えることで最後まで粘れる。複勝率44%は重視すべき数字。
- 差し馬:脚を溜めて直線で捲るタイプは展開次第。展開が速ければ追い込み届く可能性はあるが、基本的には危険視せず抑え程度。
結論として、本レースでは先行・逃げを主軸に据え、差し馬は展開次第で▲評価に留めます。
騎手・調教師・種牡馬・母父別の注目統計
個別項目での注目点:
- 騎手:岩田望来(パイロマンサー)はこのコースで高い勝率と複勝率を残しており、信頼度が高い。西村淳也(ボクマダネムイヨ)も堅実。鮫島克駿(ワンダーディーン)は連対率が高く、勝ち切る力もある。
- 調教師:高柳大輔(ワンダーディーンの調教師)が勝率18%・複勝34%と非常に良好。吉村圭司(パイロマンサーの調教師)も勝率12%・複勝27%と本コースで安定。
- 種牡馬:パイロ産駒は当コースで好成績(勝率10%、複勝28%)かつ単勝回収率も高く、ダートでの切れ味と持久力を両立。サンダースノーやルヴァンスレーヴも好結果。
- 母父:ゴールドアリュール、マンハッタンカフェ、ディープスカイ等が連対実績で目立つ。ダートでの底力(スタミナ)を与える母父は評価点。
総合的に、騎手・調教師の実績+種牡馬/母父のダート適性の組み合わせが高評価馬を選ぶ鍵になります。
出走馬全体のコース適性と距離適性の確認
出走馬の個別データから重要ポイントを抜粋:
- 京都ダ1800mでの実績がある馬:10パイロマンサー(京都ダ1800勝ち)、3カムアップローゼス(京都ダ1800勝ち、距離実績も良)、その他は本コース未経験が多い。コース適性がある馬はプラス。
- 距離適性(ダ1800):複数馬が過去に1800mで好走実績あり(チャチャコマニ、カムアップローゼス、ボクマダネムイヨ、タガノアバンドーネ、ノースミソロジー、ワンダーディーン、パイロマンサー、ダンツシタン、リヒトミューレ、シュガービスケッツ)。特に既に1800mで勝利経験がある馬は再現性が期待できる。
- クラス成績:今回は1勝クラス中心のメンバー。クラス実績が横並びのため、他要素(脚質・騎手・種牡馬)で差が付きやすい。
結論:コース・距離実績がある馬を優先。特に京都ダ1800での勝ち経験やダ1800の複勝率の高さは重要な選定基準です。
ローテーション(レース間隔)とクラス成績の影響
提供データ上、各馬のレース間隔は1ヶ月〜3ヶ月とばらつきがあります。一般論としては短期ローテ(中2週〜1ヶ月)の馬は状態維持ができていれば安定。逆に久々(3ヶ月以上)の馬は追い切り次第で良化する馬もいますが、データが限定的なため過度な期待は禁物です。
クラスは全馬1勝クラスに集中しており、ここでは当日の調教、斤量(55/56kg差)、騎手の仕上げ能力を重視する必要があります。斤量差は大きくないので斤量よりも脚質と展開の方が影響力が強いと判断します。
オッズ構造と人気馬の信頼度
現時点の単勝オッズ(上位4頭):
- 4 ボクマダネムイヨ — 2.8倍(1人気)
- 9 ワンダーディーン — 4.0倍
- 10 パイロマンサー — 4.0倍
- 16 シュガービスケッツ — 15.5倍
人気上位は実績と騎手・調教師の評価が反映されています。単勝オッズが3倍未満の馬は人気の支持が厚いが、コース特性(先行有利)や騎手の信頼度を照らし合わせれば納得できる支持。配当妙味は中位〜下位人気にあるため、穴狙いは裏データ(回収率・母父等)を活かします。
◎ 本命候補 — 10 パイロマンサー
選出理由
- コース&距離実績:データ上、パイロマンサーは京都ダート1800mでの勝利経験があり、同コース同距離での成績は最も信用できる。提供テーブルでは「京都ダ1800で1着」の実績が記載されている点が最大のアドバンテージ。
- 騎手力:岩田望来騎乗で、当該騎手は京都ダ1800などのダート戦で高い勝率(14%)・複勝率(32%)を持つデータがあり、騎手の実力で着順上積みが期待できる。騎手と馬の相性でさらに好走確率が上がる。
- 種牡馬適性:種牡馬「パイロ」は当コースで好成績(勝率10%、複勝28%)を残しており、ダートでのスタミナと瞬発力バランスが良い。種牡馬データの支持は再現性に寄与。
- 脚質:過去の脚質は逃げ/先行に分類される可能性が高く、コース特性(逃げ・先行有利)に合致している。京都ダ1800は先行が堅実に残るため脚質面でも有利。
- 回収率/妙味:パイロ産駒の単勝回収率は高めで、パイロマンサー自身も過去の単勝回収利得が高め。人気が割れている現状(ワンダーと拮抗)では期待値が高い。
詳細解析
パイロマンサーは京都ダ1800で確実に走った実績があり、**“同条件再現性”**が最も高い馬です。京都のターンや砂の抵抗、直線の短さを理解している点は評価大。騎乗する岩田望来は当該コース・距離で結果を出しており、実戦での位置取り判断が勝敗に直結します。脚質が先行〜中団先行に取れる馬で、逃げ有利のコース特性にマッチ。さらに種牡馬データ(パイロ)はダートでの安定感が強く、母父や調教段階の情報が良ければ本命に据えるのが妥当です。
想定シナリオ:好スタート→好位追走→直線で抜け出し。岩田騎手の手腕で位置取りをキープすれば、最後まで粘り強く押し切る展開が最も成立しやすい。
結論:コース実績・騎手・種牡馬・脚質の複合評価で最も信頼できる1頭として◎に選出します。
○ 対抗候補 — 4 ボクマダネムイヨ
選出理由
- 単勝人気1番手(2.8倍):市場が信頼する指標。人気支持はデータの一部を反映。
- 騎手の力量:西村淳也騎手は京都ダートで堅実な勝率(10%)・複勝率(27%)を残しており、騎乗技術が安定感に繋がる。
- 種牡馬の影響:種牡馬はクリソベリル。データ上はサンプル数が少ないが高勝率(20%)・複勝40%と数字は良い。短期的な上積み期待がある。
- 脚質:先行タイプであり京都ダ1800の先行優勢を利用できる。逃げ・先行が効くコースで先行できれば粘り込みは十分に可能。
詳細解析
ボクマダネムイヨは人気を集めている通り、安定感と前で競馬ができる強みを持っています。騎手・調教師の組み合わせも実績あるレベルで、先行力でポジションを取れれば最後まで粘るケースが多いタイプ。クリソベリル産駒の傾向を踏まえると、ダートの荒れ方や力の要る馬場でも対応できる可能性が高いです。
注意点:本馬はコース実績がゼロ(京都ダ1800の出走実績は提供データ上なし)なので、「同コース同距離での再現性」はパイロマンサーに劣ります。よって◎ではなく○。ただし、市場支持が高いこと、騎手の力量、脚質適性を考慮すれば2着以内は十分期待できると判断します。
想定シナリオ:好スタート→先行→直線で粘り込み。内外の枠如何でポジション取りが鍵になるタイプ。
▲ 単穴候補 — 9 ワンダーディーン
選出理由
- 調教師の好成績:高柳大輔調教師は当コースで好成績(勝率18%、複勝34%)。調教力や馬の仕上げに定評があるため信頼度は高い。
- 騎手の堅実さ:鮫島克駿騎手の連対率が高く、差し・先行どちらの形でも対応可能な技量がある。
- 種牡馬・母父:種牡馬ディーマジェスティは数値上のサンプルは小さいものの、馬自体は距離対応力があり波乱を演出できるポテンシャルあり。
- 距離実績:ダ1800で勝ち歴があることは大きなプラス。過去に1800で勝っている馬は展開次第で馬券圏に入りやすい。
詳細解析
ワンダーディーンは「調教師データの強さ」と「距離実績」を兼ね備え、かつ騎手も安定した腕を持つため、単穴(▲)として一撃の可能性あり。特に逃げ・先行有利のコースで追走力がある馬は、展開が向いた際に一気に上位に食い込む力がある。高柳厩舎の仕上げで当日良調教を見せれば、上位食い込みのシナリオが現実的です。
注意点:人気は上位に比べやや劣るため妙味はあるが、最大限の信頼度は◎○に一歩及ばない点が▲評価の理由です。
想定シナリオ:好位で折り合い→直線で脚を伸ばす。展開が速くなれば差し有利になり、一気に突っ込む可能性あり。
△ 連下候補 — 16 シュガービスケッツ
選出理由
- 距離実績:ダ1800で勝利経験あり、距離に対する適応力が確認されている。
- 斤量面:55kgで出走する点が軽めで、終盤のスタミナ勝負に有利。
- 種牡馬・母父:種牡馬マインドユアビスケッツ(当コースの成績は中位)だが、過去単勝回収率に大きく貢献した実績がある馬も見える。
- 単勝回収率データ:シュガービスケッツは過去の単勝回収率が非常に高い(1540%という突出値がデータにある)ため、「一発あるタイプ」として連下に適する。
詳細解析
この馬は実績とデータ上の妙味(特に高回収率)に注目。着順安定性はやや波があるものの、掲示板率や複勝圏内に来る安定性は無視できない。斤量が軽めでコース実績があるため、展開利があれば連に絡む期待が高い。
想定シナリオ:中団から押し上げ→直線で粘って掲示板確保。上位2頭が潰れるスローパターンでも台頭する可能性大。
☆ 穴馬候補 — 13 セイントエルモズ
選出理由
- 非常に高い単勝回収率:データ上、56kgでの単勝回収率が6590%と桁違いの数値が出ており、過去に激走した際の配当妙味が極めて高い。
- 斤量データ:56kgで好走歴あり。馬のポテンシャルが高く、波乱要素を持つ。
- 母父の強さ:母父はディープスカイで、芝ダート問わずスタミナと瞬発力を付加する系統。ダートでも意外性を出す構成になっている。
詳細解析
セイントエルモズは成績自体は安定していないが、激走した時の回収率が極めて高い点が魅力の穴馬です。過去の特定条件(馬場や展開)にハマった場合、配当面で大きな旨味が残ります。騎手情報や当日の馬場状況に依存するため読みは難しいが、穴狙いの選択肢としては最適。
注意点:安定感は低く、馬券圏内常連ではない。だが“一撃要員”としては文句なく推奨できる。
想定シナリオ:展開が極端に速く前が潰れるか、逆に前残りで速いペースの押し切りが決まる形で激走の可能性。
注 注意候補 — 11 ダンツシタン
選出理由
- 過去1800mの実績:ダ1800での勝利実績があり、距離対応力は証明済み。
- 調教師の傾向:本田優厩舎は当コースで派手さは少ないが、上手にメンバーの狙い所を突くケースがある。ここで一変する可能性を“注”として評価。
- 回収率傾向:本馬は単勝回収率が高めの傾向が見えるため、人気なら押さえたい一頭。
詳細解析
データ上は上位勢に比べて総合力で劣る印象だが、ローテや当日の仕上がりで浮上の余地があるタイプ。過去にダ1800で勝っているため、馬場や展開が合えば上位に絡む可能性がある。特に調教師の仕上げや当日の発走メンバーの力量差次第では善戦できるだろう。
注意点:安定感に欠けるため本命には向かないが、押さえとしては有用。
特 特注候補 — 12 リヒトミューレ
選出理由
- 距離実績:ダート1800での勝利実績があり、距離適性は確認されている。
- 調教師の好成績:中村直也厩舎はこのコースで勝率12%、複勝27%と好調。調教師のプランニングで上位に来るシナリオが存在する。
- 種牡馬/母父:種牡馬ポエティックフレアや母父アグネスタキオン絡みの血統は独自の持久力を添える可能性がある(データは部分的)。
- 騎手データ:小沢大仁騎手の勝率はそこそこ(7%)で、乗り替わりや展開に応じた好走例があるため、“次走狙い”の一発要員として面白い。
詳細解析
リヒトミューレは中位評価ながら、隠れた一変要素(調教師の好成績・過去距離実績・血統)を持つため「特注」に該当します。人気に左右されず一発を狙えるタイプで、騎手乗り替わりやローテでの上積みがあれば激走する要素を秘めています。
想定シナリオ:ローテが嵌れば中団から差して好走。上位2頭が潰れる場面では馬券圏内に顔を出す可能性あり。
総合評価
データ重視の総合順位:
- ◎ 10 パイロマンサー — 最も安定した同条件実績、騎手力、種牡馬相性。勝率最大。
- ○ 4 ボクマダネムイヨ — 人気支持と先行力で2着以内の確度高し。
- ▲ 9 ワンダーディーン — 調教師の好成績+距離実績で一発。
- △ 16 シュガービスケッツ — 距離実績と高回収率で連下信頼。
- ☆ 13 セイントエルモズ — 高配当狙いの穴。条件がハマれば大波乱。
- 注 11 ダンツシタン — クラス・距離実績から浮上の余地あり。
- 特 12 リヒトミューレ — 調教師の好成績と一変要素で注目。
展開別着順パターン:
- 展開A(スローペースで前残り):先行馬有利 → ◎パイロマンサー・○ボクマダネムイヨが上位。▲ワンダーディーンは差し届かず中位。
- 展開B(ハイペースで前崩れ):差し・中団差し有利 → ▲ワンダーディーン・特リヒトミューレ・☆セイントエルモズの台頭ある。
- 展開C(単独逃げでペース持続):逃げ切り成功 → △シュガービスケッツや逃げタイプが残るケース。

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