プロモーションを含みます

【忘れな草賞2025回顧】サヴォンリンナが堂々抜け出し!渋った馬場でも光った“先行力と持久力”――激戦の舞台裏を徹底解剖

【忘れな草賞2025回顧】サヴォンリンナが堂々抜け出し!渋った馬場でも光った“先行力と持久力”――激戦の舞台裏を徹底解剖
この記事は約12分で読めます。

はじめに:忘れな草賞とは何か?

毎年春の阪神開催で行われる伝統の一戦「忘れな草賞」。このレースはクラシック本番であるオークスを目指す牝馬たちのステップレースの一つであり、リステッド競走ながらも将来性を感じさせる素質馬たちが顔を揃える注目の舞台です。
2025年の今年も、例年通り阪神芝2000mで開催され、雨の影響により馬場は「稍重」。巧者が台頭し、ポテンシャルだけでは乗り切れない、タフなレースとなりました。

出走馬たちはまだ3歳春。この時期は成長度合いや馬場適性の差が如実に表れやすく、レース展開や騎手の判断が如実に明暗を分けると言っても過言ではありません。今年の忘れな草賞は、そんな難しいコンディションの中で「競馬の本質」が浮き彫りになったレースだったと言えるでしょう。


2025年の舞台設定:雨天×稍重×阪神芝2000m

今回の舞台設定を語る上で、外せないのが「天候=雨、馬場=稍重」というコンディションです。
この時期の阪神競馬場はもともと力の要る芝で知られており、加えて雨が加わることで、純粋なスピードだけでなく“持久力”と“踏ん張り”が求められる条件となります。
レースタイムは「2分03秒5」。時計自体は平凡ですが、ハロンタイムのラップを見ればわかるように、中盤の緩みが少なく、後半はしっかりと脚を使わされる形となりました。

ハロンタイム:13.2 - 11.6 - 12.6 - 12.8 - 12.5 - 12.8 - 12.3 - 12.0 - 11.7 - 12.0

このラップ構成から見て取れるのは、「ロングスパート戦」であったということ。瞬発力というよりも、ラスト800mの粘りと位置取りが勝敗を分けた印象です。
また、稍重馬場に対応できたかどうかという点も大きく、重たい芝を気にせず踏み込めるタイプの馬たちが上位に来た点も見逃せません。

勝ち馬サヴォンリンナの勝因とは?

サヴォンリンナ(牝3・北村友一騎手・田中克典厩舎)は、今回3番人気という評価ながら、文句なしの内容で忘れな草賞を制覇しました。
最終的なタイムは「2:03.5」、通過順位は「2-2-2-2」と終始好位で運び、最後までバテずに押し切る競馬。道中の流れにもよく乗っており、位置取りの巧さと“最後まで止まらない脚”が光った一戦でした。

特筆すべきは仕掛けのタイミングと追い出しの反応。4コーナー手前からじわじわと先頭に並びかけ、直線入り口で一気に抜け出すと、そこからは後続を寄せつけない内容。稍重馬場でもしっかりと地面を捉えた走りで、終始安定したフォームを維持していたことが印象的でした。

また、馬体重は+6kgと成長分も感じられ、調教段階から順調に来ていた証拠。田中克典厩舎は近年地味ながら堅実な育成で知られており、この勝利は陣営の“仕上げ力”の成果とも言えるでしょう。

加えて、騎乗した北村友一騎手の冷静な判断力も見逃せません。馬場を読み、位置を取り、仕掛けのポイントを見極めた完璧なレース運び。このコンビが今後も続くようであれば、重賞戦線でも期待がかかる1頭です。

2着サタデーサンライズ:確かな競馬で地力証明

2着に入線したサタデーサンライズ(牝3・幸英明騎手・石坂公一厩舎)は、5番人気という中位評価ながら、勝ち馬に迫る競馬を披露。タイム差は「1馬身1/4」ながらも、その内容には多くの評価点があります。

まず、道中は「3-3-3-4」と常に勝ち馬の背後につける形で追走。稍重馬場でも折り合いを欠くことなく、直線では外に出してしっかりと伸びてきました。
特に目を引いたのは、最後の200mでの伸び。勝ち馬との差を縮めるような勢いで伸びてきており、「距離延長にも対応可能」という走りを見せてくれました。

馬体重は+6kgと成長途上ながら、まだ絞れる余地もあり、馬体の完成度としては発展途上。それでこのパフォーマンスなら、上積みを感じさせる内容です。
また、父はキズナ系でスタミナも持ち合わせており、これからの中距離路線での台頭が期待されます。今後はオークストライアルや自己条件での勝ち上がりが現実味を帯びてくるでしょう。

3着ノクターン:最内にこだわらず、差してきた本命馬

1番人気の支持を集めたノクターン(牝3・J.モレイラ騎手・木村哲也厩舎)は、惜しくも3着に敗れましたが、その内容は決して悲観すべきものではありません。
通過順位は「7-6-6-4」と後方から中団で構える競馬で、直線では馬群を割って鋭く伸びてきました。上がりは勝ち馬と同じ「35.6」で、道中のロスを考慮すれば立派なパフォーマンスです。

ノクターンの魅力は、瞬発力よりも持続力を活かす競馬にあります。今回のような雨の稍重馬場でもバランスを崩さず、しっかりと加速できる脚を見せており、むしろ悪条件において地力が際立つタイプとも言えるでしょう。

馬体重+8kgも成長分と見てよく、輸送やテンション面での影響もなかったことから、精神面の強さも評価できます。陣営としては「本番に向けた通過点」という考えもあったかもしれませんが、次走以降も引き続き注目です。

了解しました。続きをお届けします。

掲示板組の評価と展望

ダノンフェアレディ(4着):末脚の片鱗は見えたか?

2番人気に支持されたダノンフェアレディ(牝3・坂井瑠星騎手・橋口慎介厩舎)は、結果的に4着という着順に甘んじましたが、内容としては見どころのある一戦でした。

道中の通過順位は「7-8-8-8」と終始後方に位置し、直線では外に持ち出して伸びを見せる競馬。上がり3ハロンは「35.5」と、全体で見ても上位の脚を使っており、ゴール前ではしっかりと詰め寄ってきました。

ただ、やはりこの馬にとっては位置取りが鍵で、前が止まらない展開では届き切れないという弱点も露呈した形。それでも稍重の馬場で無理に押し上げることなく、終いの脚を引き出した点は評価すべきでしょう。

血統背景的にも、距離適性は2000mよりも1800m前後が合う印象もあり、次走は条件を見極めて使われれば、巻き返しは十分に可能です。

ロヴィーサ(5着):逃げ馬の宿命、消耗戦に沈む

最内枠からハナを奪ってレースを引っ張ったのはロヴィーサ(牝3・松山弘平騎手・大根田裕之厩舎)。結果は5着でしたが、持ち味は十分に出せたと言える内容でした。

通過順位は「1-1-1-1」。序盤から主導権を握り、プレッシャーがかかる形で道中を刻み続けました。最終的には「36.3」という上がりタイムに表れているように、直線で余力が尽きた印象ではありますが、それでも大崩れせず掲示板を確保した点は見事です。

このタイプの馬は展開に左右されがちですが、逆に自分のペースで運べれば勝ち負けできる力は持っています。馬体も-6kgと絞れており、仕上がりも良好。次走で同型馬が少ない組み合わせならば、再度逃げ切りを狙えるチャンスはあるでしょう。

その他出走馬のパフォーマンス

メイショウピリカ(6着)

メイショウピリカ(牝3・武豊騎手・本田優厩舎)は、やや中途半端な位置取りが仇となった印象。通過順位「6-6-6-7」、そして上がり「35.9」は平凡な内容に見えるかもしれませんが、これは展開的に仕方ない部分もあります。

スタート後はリズムよく運べていたものの、直線に向いてから加速に苦労し、最後は惰性でのゴールインという形。とはいえ、武豊騎手のコメントにもあったように、馬場に少し戸惑った節もあり、乾いた馬場ならパフォーマンスを上げてくる可能性はあります。

マジカルフェアリー(7着)

マジカルフェアリー(牝3・和田竜二騎手・寺島良厩舎)は、先行策を取りましたが、「36.9」という上がりからも分かるようにバテてしまった内容でした。道中は「3-3-3-2」と勝ち馬と並ぶ位置にいたため、そこから後退したのは馬場や距離適性の問題があったとも考えられます。

今後は距離短縮での巻き返しに期待したいところ。牝馬戦線は路線選択が明暗を分けることも多く、再調整されれば面白い存在です。

プリンセッサ(8着)

4番人気のプリンセッサ(牝3・津村明秀騎手・牧田和弥厩舎)は、道中中団から進めたものの、直線では伸びを欠いてしまい最下位に沈みました。通過順位「5-5-5-4」と見ると悪くないポジション取りではありましたが、上がり「37.1」はやや物足りない数字。

馬体は+2kgと微増にとどまりましたが、明らかに雨馬場を気にしている様子で、持ち味のスピードを発揮できなかった印象。これで評価を落とす必要はなく、乾いた馬場の1600~1800mに戻れば、巻き返しの余地は十分です。

展開分析:平均ペースのようで“仕掛けの早さ”が明暗を分けた

今回のレースは、前半1000mが「62.7秒」、後半が「60.8秒」と、数値だけ見れば平均ペース。ただし、3コーナーからのペースアップがかなり顕著で、いわゆる「ロングスパート戦」へと移行した典型的な消耗戦の様相を呈していました。

特に4コーナーからの動き出しで位置を上げていた馬と、そこまで脚を溜めていた馬との“仕掛けのタイミング”が明確に着順に反映されたのが特徴。
つまり、ポジショニングと瞬時の反応力がものを言った展開だったと言えます。

このような形になった背景には、「稍重馬場」が強く影響しており、持ち時計や瞬発力だけではどうにもならない場面が多く、スタミナとバランス感覚が問われるレースとなったのです。

騎手の手綱さばきに注目!勝因と敗因の分岐点は?

今回のレースを振り返ると、騎手の判断が勝敗を大きく左右したと言っても過言ではありません。勝ち馬の北村友一騎手は早めに動くことで勝ちパターンを作り出し、2着の幸英明騎手も冷静な追走で抜群のリズムを構築。

一方で、モレイラ騎手のノクターンはポジション取りが後ろ過ぎた印象も否めず、3着という結果には戦術面の一考が必要です。また、和田騎手のマジカルフェアリーは積極的な姿勢が裏目に出てしまい、スタミナが削られる結果に。

このレースのように、馬場状態や展開に応じた「仕掛けのタイミング」と「コーナリング時のポジション取り」は、勝負の明暗を分ける重要な要素です。

馬場状態の影響:稍重の罠と適性差

2025年の忘れな草賞を語る上で避けて通れないのが「稍重馬場」の影響です。この日、阪神競馬場は朝から雨が降り続き、芝コースは終日「稍重」に設定されていました。一見するとそこまで重たくない印象を持たれがちですが、阪神の芝コースは雨を含むと滑りやすくなることで知られており、見た目以上に“スタミナと馬場適性”が試されるコンディションとなります。

実際、今回の上位入線馬はいずれも“軽さよりも力強さ”が際立つ馬体構成の馬たちで、特に勝ち馬サヴォンリンナのように、しっかりと地面を踏みしめる走りができるタイプが好結果を残しました。一方で、末脚に頼る差し馬やスピード型の馬は、馬場に脚を取られて伸び切れない様子が見受けられました。

稍重馬場は単純な時計比較が通用しない“罠”が潜んでおり、今回はその影響が顕著に現れた結果です。今後の同条件でのレースを見る際も、当日の馬場状態に対する適性の見極めが、馬券検討の鍵を握ることになるでしょう。

調教過程と馬体重変動から見る各馬のデキ

出走各馬の馬体重と調教過程からレース当日のデキを探ると、意外な発見も見えてきます。

まず、勝ち馬のサヴォンリンナ(+6kg)は、直前追い切りでも活気があり、好調を維持していたことがうかがえました。レースでもそのデキをきっちりと発揮し、増減がプラスに働いた典型的なパターンです。

一方で、4着に敗れたダノンフェアレディ(+2kg)は、輸送後の体重キープという意味では合格点ながら、多少余裕残しだった可能性もあり、今後もう一絞りされた際にはさらなるパフォーマンスアップも期待できる馬体です。

また、ロヴィーサ(-6kg)は絞り込まれた馬体での出走となりましたが、逃げたこともあり消耗戦になった点を考えると、当日のテンションや体調も含めてもう一段階上げる余地があるかもしれません。

このように、馬体重や調教の変動を見ることで、当日のパフォーマンスが予測できるケースは多く、出走前の情報チェックは非常に重要です。

配当と人気のバランス:馬券的妙味を振り返る

2025年の忘れな草賞は、馬券的にもなかなかの妙味があった一戦でした。特に3連単「5-4-8」は16,410円(57番人気)と、人気どころを中心に買っていたファンにとっても悪くない配当だったと言えるでしょう。

注目すべきは、勝ち馬サヴォンリンナ(3番人気)が1着に入っている点です。3番人気は「中穴」とも言える立ち位置ですが、能力比較では上位評価されていた1頭で、馬券的には“軸にしやすい存在”でした。

また、2着のサタデーサンライズ(5番人気)と3着のノクターン(1番人気)の組み合わせでワイドや馬連の配当が妙味を生んだ形に。馬連「4-5」は2,650円(11番人気)、ワイド「4-5」は600円(9番人気)と、人気と配当のバランスが取れた絶妙な結果でした。

この結果からもわかるように、「過剰人気馬を嫌い過ぎず、中位人気馬を積極的に拾う」姿勢が大切。レース前の調教や枠順、騎手など総合的な判断が“妙味ある馬券”につながる一例と言えるでしょう。

勝ち馬サヴォンリンナの血統背景と将来性

勝ち馬サヴォンリンナの血統は非常に興味深く、今後の活躍にも期待が持てる要素を多分に含んでいます。

父は日本でも好成績を残す欧州血統で知られ、重馬場やスタミナを要するレースに強い傾向がある系統。今回のような「稍重の阪神2000m」という舞台でも、それを裏付けるような安定感のある走りを見せてくれました。

母系にはスピードタイプの米系血統も取り込まれており、バランスの取れた血統構成で、距離適性の幅も広いことが特徴です。2000m前後はもちろん、馬場や展開次第では2400mへの対応も可能と見られており、オークス出走に向けた前哨戦として理想的なレースだったと言えるでしょう。

今後の成長によっては、重賞戦線でも十分戦える素質馬と評価でき、注目の1頭となることは間違いありません。

今年の3歳牝馬戦線に与える影響は?

この忘れな草賞の結果は、今年の3歳牝馬路線における序列を再確認させるとともに、新たな勢力図を浮き彫りにしました。

特に、ノクターンの安定した末脚や、サヴォンリンナの粘り強さは、現時点での完成度の高さと今後の成長力を両立しており、クラシック本番に向けて注目を集める存在となるでしょう。

また、サタデーサンライズのような伏兵型の成長株も複数頭存在しており、今後のトライアルや重賞戦では一発の可能性を秘めています。オークス出走の枠を争う競争は激化する一方で、実力差は紙一重とも言える状況です。

この一戦を通じて、展開・馬場・仕上がりといった要素のバランスが、牝馬路線においてどれほど重要かを再認識させられたレースでした。

次走の狙い馬:この馬はまだ終わっていない!

ノクターン(牝3)

次走で狙いたいのは、あえての3着ノクターンです。1番人気に支持されながらも届き切れず、悔しい結果となりましたが、内容的には高評価に値します。

なぜノクターンなのか?理由は以下の3点です。

  1. 仕掛けどころ次第で勝ち負け可能な内容
    • ポジションを少しでも前に取れていれば、勝ち負けに持ち込めていた可能性は高く、地力の高さは明白です。
  2. 馬場適性の柔軟性
    • 稍重馬場でしっかりと脚を伸ばしており、良馬場であればさらに伸びが期待できる。
  3. 上がり性能の高さ
    • 上がり35.6は、勝ち馬と並ぶ最速タイ。展開次第では他を圧倒できる破壊力を持っています。

次走、位置取りさえ改善されれば3着以内は堅いと見ます。オークスやトライアル含めて、引き続き注目しておきたい存在です。

COMMENT みんなのコメント欄

タイトルとURLをコピーしました