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【山藤賞2025】ビーオンザカバーが豪快差し切り!真の実力を見せた1戦を振り返る

【山藤賞2025】ビーオンザカバーが豪快差し切り!真の実力を見せた1戦を振り返る
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山藤賞とは?中山競馬場・芝2000mの特徴

中山競馬場で行われる3歳1勝クラスの特別戦「山藤賞」は、クラシック路線の登竜門としても知られ、過去には後の重賞馬やオープン馬が羽ばたいた舞台です。芝2000mという中距離設定は、スピードだけでなくスタミナ、加速力、そしてコーナーのさばきも問われるため、総合力が試されるコースでもあります。

コース形態としては右回りで、スタート地点はスタンド正面から1コーナーへ向かっていく構造。前半は下り基調の影響もありペースが速くなりがちですが、後半は急坂を含む最後の直線で一気に脚を使う必要があるため、最後まで脚を温存できる馬が勝負圏内に入ってきます。

本レースは例年通り、皐月賞の裏開催にあたる週に組まれるため、実力馬の登場はもちろん、条件戦ながらレベルが高い一戦になるのも特徴。今年も例に漏れず、成長著しい素質馬たちが集まりました。


レース結果 JRA

レース当日のコンディションと流れ

レースが行われたのは2025年4月12日(土)、天候は晴れ。芝のコンディションは「良」。春の陽気に包まれた絶好の競馬日和の中、3回中山開催5日目の9レースとして行われました。

ハロンタイムを見ると、序盤から中盤まで11秒台が続くかなり締まった流れ。特に中盤の11.7 – 11.8 – 11.7とラップが緩まず続いており、持久力が求められる展開となりました。スタート直後から果敢に逃げたのは8番ジェットブレード。果敢にハナを主張し、1〜3コーナーまではペースを握る展開。

ただし、その直後に2番手につけたのがダノンピクチャー(7着)、そして絶妙なポジション取りで4番手から競馬を進めたのが、今回の勝ち馬ビーオンザカバーでした。

道中、ポジションを動かす馬は少なく、各馬が自らのリズムを大切にする中、残り600mからは一気に勝負どころに突入。最後の直線では脚を残していた馬が抜け出し、上位争いが展開されました。

勝ち馬ビーオンザカバーの走りを詳細分析

見事勝利を収めたのは、2枠2番のビーオンザカバー(川田将雅騎手)。中団より前目の4番手から競馬を進め、3コーナーでは3番手、4コーナーでは早くも先頭に並ぶ形。ここから持ち前の持続力と切れを発揮し、ラスト200mで他馬を突き放す内容で1着ゴールイン。

勝ち時計の1分59秒0は、開幕週でないこの時期の中山芝2000mとしてはかなり優秀。直線の上がりは35.4秒と特筆すべき数字ではないものの、これは他馬と比較しても明らかに余力十分のもの。特にラスト3Fのトータルラップが36.1秒である点からも、道中のスムーズな加速と手応えの良さが際立っていたことが分かります。

この馬は2走前の未勝利戦で初勝利を挙げており、1勝クラスでは今回が2戦目。ここでしっかりと勝ち切った点は、成長力と対応力の高さを示すものであり、今後重賞戦線でも通用する下地は十分と言えるでしょう。

また、血統面にも注目。父ハービンジャーは中距離で持続力を発揮する産駒を多く輩出しており、母セレブリティモデルも芝中距離適性の高い牝系に属します。生産は名門社台ファーム、馬主は社台レースホースと背景も充実。今後が楽しみな逸材です。

2着クモヒトツナイ、スムーズな競馬で台頭

勝ち馬に次ぐ2着に入ったのは7番クモヒトツナイ(松岡正海騎手)。道中は後方寄りの7番手からじっくりと脚を溜め、直線では馬場の外からジワジワと伸びてきて2着を確保。勝ち馬とは2馬身半差あったものの、他馬との比較では抜けた末脚を見せており、展開次第では逆転の可能性も感じさせる好内容でした。

この馬は4戦目での初勝利を挙げた後、間を空けてここに挑戦。やや気性面に課題があるとされてきた馬ではありますが、今回は馬群の中でも我慢が利いており、操縦性の向上が見て取れました。

父モーリス譲りのしなやかな脚と、母系に流れるスタミナの血がうまく噛み合った好走。特に3〜4コーナーでの位置取りの良さと進路選択は評価できます。松岡騎手のエスコートも冴えており、これが今後の好走のきっかけとなる可能性も大いにあります。

ブルーマエストロは地力示すも届かず3着

1番人気に支持されていたブルーマエストロ(戸崎圭太騎手)は、最終的に3着という結果でした。中団前目の4番手から競馬を進め、ビーオンザカバーと並走する形。4コーナーで前に出ようとしましたが、勝ち馬にスパートで一歩先んじられ、最後はわずかに脚色が鈍り3着に甘んじました。

敗因は明確で、「仕掛けのタイミングの差」と「勝負どころでのスピード差」。ビーオンザカバーが先に抜け出し、外からクモヒトツナイに被される形になったため、馬のリズムが崩れた印象。戸崎騎手もコメントで「勝ちに行く競馬だったが、ワンテンポ早かったかもしれない」と振り返っていました。

とはいえ、最後までしっかり脚は使っており、地力の高さを証明した内容。むしろこれで評価を下げる必要はなく、次走以降、立て直せば再度主役級の競馬が期待できる存在です。

了解しました。続きを執筆します。

先行勢が崩れた理由は?ジェットブレードとダノンピクチャーの苦戦

今回の山藤賞で注目されたのは、先行策を取った馬たちの総崩れという展開です。特に逃げたジェットブレード(8番・原優介騎手)と、2番手で競馬を進めたダノンピクチャー(1番・横山武史騎手)は、最終的にそれぞれ5着、7着と苦戦しました。

まず、逃げたジェットブレードについて。1コーナーから先手を主張し、マイペースの逃げに持ち込めたように見えましたが、結果的にはハイラップの先導となり、3コーナーからすでに手応えが怪しくなっていました。ラスト3Fのラップで12.3 – 12.0とペースダウンしたものの、すでに脚が残っておらず、直線では後続に飲まれる形。逃げ粘る力は評価できるが、現状ではワンパンチ足りない印象です。

一方、2番手からレースを進めたダノンピクチャーも、外から他馬に絡まれながらの競馬となり、早めに仕掛けた分、直線では完全に脚が上がってしまいました。特に最後の200mでは失速し、見せ場を作ることなくゴールイン。前走内容から期待された馬ではありましたが、ペース判断に苦しんだ感は否めません。

このように、今回のレースでは中団~差し馬に展開が向いた印象が強く、前々で粘るタイプの馬にとってはタフな流れだったと言えるでしょう。先行馬たちの巻き返しには、ペース配分や展開の助けが必要です。

4着以下の馬たちの内容と今後の可能性

レースの着順表を見ると、上位3頭以外はやや大きな着差がついてのゴールとなりましたが、4着以下の馬にも注目すべきポイントがあります。

まず4着のファイアトリック(5番・田辺裕信騎手)は、後方待機策からジワジワと脚を伸ばし、最後にもうひと伸びで4着に浮上。勝ち馬からは1.3秒差ですが、上がり36.0秒はメンバー中で4番目に速い脚。馬体重は前走から8キロ減っており、調整過程に課題があった可能性も。次走で馬体が戻ればさらに動ける下地は十分あります。

6着のエンペラーズソード(6番・菅原明良騎手)も見どころがありました。好位でレースを進め、3コーナーでは一瞬「勝ち負けもあるか」と思わせる動きを見せましたが、直線では脚が鈍り後退。内容的には悪くなく、セン馬であることから成長は緩やかかもしれませんが、使いつつ上昇していく可能性があります。

最下位入線のウーバーストロング(9番・大野拓弥騎手)は、2コーナーまでは2番手追走するなど積極策でしたが、途中から馬が力みっぱなしで、最後は完全にガス欠。タイムオーバーで出走制限が課されてしまいましたが、気性面の立て直しが急務です。

ラップタイム分析から見える展開の鍵

このレースのラップタイム(12.8 – 11.2 – 11.9 – 11.8 – 11.7 – 11.8 – 11.7 – 11.8 – 12.3 – 12.0)を分析すると、中盤から後半にかけて一貫した平均ペースで推移しているのが特徴です。

特に注目すべきは、中盤(4F〜7F)がほぼ11.7〜11.8秒で続いていること。これはペースの緩急が少なく、持続力勝負になったことを意味します。前半が比較的スローに映るものの、逃げ馬のジェットブレードが12.8→11.2秒と一気にペースを上げており、実質的にはロングスパート勝負に近い展開となりました。

この流れに対応できたのが、4コーナーで前にいたビーオンザカバーと、外からロスなく脚を伸ばしたクモヒトツナイ。また、ブルーマエストロも中団からロス少なく進めたことで、一定の地力を示しました。

逆に、コーナーで外を回された馬や、ペースアップのタイミングに対応しきれなかった先行勢は、苦しい展開となってしまいました。中山芝2000mの持久力勝負という構図が、如実に現れた一戦だったと言えるでしょう。

騎手の手綱さばきを振り返る:川田騎手の勝負勘

勝ち馬ビーオンザカバーに騎乗した川田将雅騎手の手綱さばきは、さすがの一言でした。

レース序盤から中団のインコースにポジションを取り、馬群の中で無駄な動きをせず脚を溜める競馬。3コーナーではじわりと前に進出し、4コーナーでは進路が空くと見るやいなや、一気にスパート。その瞬間の判断力と、馬にストレスをかけずに導いた技術は特筆に値します。

また、直線では決して無理に追わず、馬自身の推進力に任せるような騎乗。これにより、馬のバランスが崩れることなく、最後まで伸び切る理想的な内容でした。

川田騎手といえば、近年はクラシック前哨戦や重賞でも確実な手腕を見せており、今回もそれが存分に発揮された形。馬の能力を100%引き出す名手の技が、見事に結実したレースでした。

注目馬「ウーバーストロング」敗因を探る

最下位に終わったウーバーストロングですが、この馬の敗因は「気性難」と「距離適性のズレ」が主因と考えられます。

2コーナーまで前向きに走っていたものの、3コーナーでは既に力みが激しく、4コーナーでは手応えがなくなって大きく後退。タイムオーバーとなる2:04.2の記録からも、力を出し切るどころか、自滅した内容でした。

血統的にはスプリント〜マイル志向の色が強く、2000mという距離設定がそもそも合っていない可能性も。加えて、馬体重も-10kgと減っており、仕上がり面にも課題が残りました。

今後は気性面のコントロール適距離への再調整が重要であり、むやみに評価を下げるよりは、正しい条件で見直すべき存在です。

ビーオンザカバーの血統背景と成長力

今回の勝ち馬ビーオンザカバーは、父ハービンジャー、母セレブリティモデルという配合。生産は社台ファーム、馬主は社台レースホースということで、血統・育成・管理のすべてが整った良血馬です。

父ハービンジャーは、イギリスでG1キングジョージを制した名馬であり、日本においてはノームコアやブラストワンピースといった重賞ウイナーを多数輩出。中距離に適性を持つ産駒が多く、特に「長く良い脚を使う」能力に長けた特徴があります。ビーオンザカバーも、その資質を十分に受け継いでいる印象です。

母セレブリティモデルは、現役時代に芝中距離で堅実な成績を収めた馬で、繁殖牝馬としても期待されていた存在。牝系をたどると、スタミナとスピードのバランスに優れた馬が多く、今回の勝ちっぷりから見ても、今後さらに距離が延びても対応できる余地を感じさせます。

また、今回のレースで馬体重は472kg(-2kg)と、成長途上であることを示唆する数字。まだまだ上積みが見込める余地があることを考えると、今後の重賞挑戦も視野に入ってくることでしょう。今後の一戦一戦で、さらなる完成度の高さが求められる舞台で、どこまで飛躍できるか注目されます。

調教師・伊藤圭三厩舎の管理力に注目

ビーオンザカバーを管理するのは、ベテランの伊藤圭三調教師。多くの馬主やファンから信頼を集める調教師の一人であり、個々の馬に合わせた調教メニューの構築と、堅実な育成で知られています。

伊藤厩舎といえば、馬の個性を見極めたうえでの「着実なステップアップ」が持ち味。ビーオンザカバーも、未勝利戦勝利後すぐに1勝クラスへチャレンジさせず、じっくり調整してこの山藤賞に照準を合わせてきたあたりに、厩舎の手腕が光ります。

また、同厩舎は中山芝コースとの相性も良く、特に2000m戦においては戦略的なローテーションと調教で安定した結果を残している点も見逃せません。今回の勝利は、馬の能力だけでなく、調教師の冷静なマネジメント力が結実した一戦だったといえるでしょう。

今後、ビーオンザカバーがどのようなローテーションを歩むのか、伊藤厩舎の選択にも大きな関心が寄せられます。

馬券の配当と人気の関係を検証

今回の山藤賞は、人気サイドの決着に近いものの、やや波乱含みの配当となりました。勝ち馬のビーオンザカバーが単勝3番人気(420円)、2着クモヒトツナイが5番人気(320円)、3着ブルーマエストロが1番人気(120円)と、上位人気の馬たちがその力を見せた形です。

しかし、注目は馬連(2-7)4,200円、三連単(2-7-4)22,300円という高めの配当。この背景には、人気の盲点だったクモヒトツナイの激走がありました。加えて、1番人気のブルーマエストロが3着止まりだったことが、配当を押し上げた要因のひとつです。

ワイドや馬連などの中配当帯を狙った馬券ファンにとっては、妙味のある結果となりました。三連単で見れば、人気通りではない組み合わせが高配当につながった典型的な例であり、「人気通りの決着でも狙い方次第で回収率を高められる」ことを証明する一戦でした。

【次走の狙い馬】今後注目したい1頭はこの馬!

今回のレースを通して、次走「3着以内が狙える」と見た1頭をピックアップします。

それは――ファイアトリック(5着)です。

敗因は明確で、スタート直後の位置取りと馬体減の影響が大きかったと見られます。しかしながら、終始無理のない追走で、最後は確実に伸びてきて4着争いに加わる堅実な内容。脚の使い方からは、もっと展開に恵まれれば馬券圏内も十分にあり得ると感じさせるものでした。

また、馬体重が8kg減っていたことからも、次走で状態が整えば上昇は必至。中距離での差し脚勝負においてはクラス上位の実力を持っており、次走が同条件であれば狙い目となります。

展開に左右されにくい末脚と、タフな中山コースでも伸び切れる体力を備えたファイアトリックは、次走での好走確率が高い注目馬として推奨できます。

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