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【川崎記念2025】王者メイショウハリオ、圧巻の差し切り!波乱の展開と次走の狙い馬を徹底解説

【川崎記念2025】王者メイショウハリオ、圧巻の差し切り!波乱の展開と次走の狙い馬を徹底解説
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川崎記念2025 概要とレースの位置づけ

川崎記念はJpn1に格付けされる地方交流重賞の一つで、ダート長距離路線を占う重要な一戦だ。地方競馬場で行われるJRAとの交流戦の中でも、2100mというタフな舞台設定が特長で、持久力だけでなく機動力・一瞬のキレが問われるレースでもある。

2025年の川崎記念は晴天のもと、稍重のダートコンディションで開催された。地方・中央のダート猛者たちが集結し、特に注目されたのは4歳勢の台頭と、経験豊富な古馬たちの意地のぶつかり合いだ。

今年の出走馬には、中央勢としてはJBCクラシックやチャンピオンズCでおなじみのメイショウハリオ、グランブリッジ、サンライズジパングらが名を連ねた。一方、地方勢もディクテオンやキリンジらが意地を見せ、見どころの多い一戦となった。

レースの賞金も破格で、1着賞金は1億円と地方レースでは屈指の金額。それだけに陣営の力の入れようも違い、調教過程から仕上がりの良さが目立った馬も多かった。

結論から言えば、勝ったのは3番人気のメイショウハリオ。前年からの安定感を武器に、抜群の末脚で差し切り勝ち。展開的にも後方待機組には苦しいレースだったが、それを覆す完璧な内容であった。

川崎競馬場 動画・映像 2025年04月09日 11R :楽天競馬


勝ち馬・メイショウハリオのレース内容と評価

メイショウハリオは57kgを背負い、499kgとやや馬体を減らしての出走。過去にも馬体重の増減が成績に影響することが少なかった馬で、今回もマイナス9kgは想定内。陣営の調整も極めて順調だったことがうかがえる。

スタート直後は後方集団に控え、序盤は無理せずじっくりと脚を溜めた。ペースが緩んだ3〜4コーナーでも慌てることなく、濱中俊騎手の手綱が光る。大外を一気に進出し、直線でスパート。最後の直線で見せた差し脚は、まさに圧巻の一言だった。

上がり3ハロンは38.2秒。これは全体の中で最速であり、加速ラップの中でこれを出せるのは実力の証。過去の勝ち星も多くが上がり最速によるものだが、特に地方の小回りコースではその末脚が鈍る傾向もあった。しかし、今回はそれを払拭するような内容で、ラップの読み、タイミング、コース取りの全てが完璧にかみ合った勝利だった。

これでメイショウハリオはG1・Jpn1での勝利数も4に到達し、いよいよダート中距離界の顔と呼ぶにふさわしい存在となった。今後は帝王賞やJBCクラシック、さらにはチャンピオンズカップなど、さらなる大舞台での好走が期待される。

2着ディクテオンの粘りと地方勢の意地

2着に入ったのは地方所属(大井)のディクテオン。セ7歳ながらも衰え知らずの走りを見せ、中央の実力馬たちに割って入る走りはお見事の一言。特に3〜4角のコーナーワークでじわじわと進出し、メイショウハリオとほぼ互角の位置取りからラストまで脚を伸ばし続けた。

ディクテオンはもともと中央からの移籍馬で、ダート中距離での適性は非常に高く、今回の2100mという舞台もベストと言える条件。馬体重は-9kgだったが、仕上がりとしてはむしろ引き締まり、パドックでも気配良好だった。

騎乗した矢野騎手の好判断も光り、無理に先行せず、しかし外々を回るリスクも避けながらの中団やや前の絶好ポジションでの競馬が奏功した。上がり38.3秒という数字はメイショウハリオに次ぐ2番手で、完全に地力の高さを見せつけた格好だ。

この走りを見る限り、今後の南関クラシック路線でも上位争いは間違いなし。特に地方限定戦であれば、着実に勝ち切れる脚力とスタミナを持っており、さらなるタイトル奪取も視野に入るだろう。

1番人気サンライズジパングの敗因を探る

1番人気に推されたサンライズジパングは3着。着差は勝ち馬から0.2秒差とわずかだったが、内容的にはやや不完全燃焼の印象が残った。

馬体重は-16kgと大幅に減っており、これが影響した可能性は否めない。輸送を含めた過程での調整の難しさが浮き彫りになった格好で、パドックではややテンションの高さも目立った。とはいえ、レース内容自体は大きな失敗はなく、幸騎手の騎乗にも不満はなかった。

序盤は中団やや前につけ、4コーナーでは早めに進出。しかし、そこから一気に抜け出す脚が使えず、メイショウハリオやディクテオンに差されてしまった。これは単純な瞬発力の差というよりも、コーナーの立ち上がりで一瞬置かれるロスが響いたと見られる。

今後に向けては馬体回復と気性面の立て直しが課題だが、4歳世代の中ではトップクラスの地力を持っており、巻き返しは可能。むしろこの一戦で評価を下げるよりも、次戦以降で人気を落としたときこそ狙い目と言えるだろう。

キリンジ、10番人気からの健闘に拍手

キリンジは地方・大井所属で、10番人気という評価ながら堂々の4着に健闘。着順以上に内容の濃い走りで、今後の南関戦線に向けても非常に価値のある一戦だったと言える。

まず特筆すべきはそのレース運び。序盤は中団よりやや後方に控え、じっくりと脚を溜める形。1コーナーから2コーナーにかけてインをロスなく回り、3〜4コーナーで外に出して一気に加速というセオリー通りの動きで直線へ。

直線入り口ではまだ6番手あたりにいたが、ここでしっかり脚を伸ばして5着争いを制し、ゴール直前でグランブリッジ、メイショウフンジンらを凌いで4着に浮上。上がり3Fは38.9秒で、速い時計ではなかったが、タフな展開を耐え切ったことは高く評価すべきだ。

馬体重も前走比+1kgと理想的な維持を見せ、パドックの気配からも明らかに好調であった。笹川翼騎手の冷静な判断も光り、まさに人馬一体となった好走だった。

今後も地方交流戦においては無視できない存在で、特に2000m以上の距離では安定感を発揮している。今後の帝王賞トライアルや大井記念などでも要注目の一頭だ。

メイショウフンジン、逃げ粘り切れずの展開分析

メイショウフンジンは逃げを打った一頭。スタートからハナを奪う競馬を選択し、序盤からペースを作っていった。前半は14秒台が続くスローペースだったこともあり、一見すると逃げ馬には有利な展開に見えた。

しかし3コーナーあたりから外の馬に詰め寄られ、直線では脚が止まってしまい5着に沈んだ。上がりは39.7秒と前残りするには少し物足りないタイム。これは道中で少しプレッシャーを受け続けたこと、そしてペースが緩みすぎたことで逆に後続に脚を溜めさせてしまった影響がある。

また、斤量57kgも堪えたか、最後のひと踏ん張りが効かなかった印象。馬体は-1kgと微減で、仕上がり自体は悪くなかったが、やや集中力に欠けたような気配もあった。

それでも展開次第では十分巻き返せる馬であり、特に地方小回りでは逃げ切りが決まる場面も多い。次走で人気が落ちれば、展開ひとつで再び馬券圏内に浮上してくる可能性は高いだろう。

グランブリッジ、牝馬の奮闘は見えたか?

2番人気に支持されたグランブリッジは6着。牝馬ながらもこれまでの実績からすれば期待値は高かったが、今回はやや伸びを欠いた内容となった。

まず気になるのは馬体重。+2kgと微増だったが、パドックではややテンションが高く、集中力を欠いた印象を受けた。また、斤量55kgの恩恵があるとはいえ、牡馬との激しい競り合いになると見劣りする部分が出てしまった。

スタート後は好位の内目をキープするも、ペースが緩んだことで外から被される形に。進路取りにやや窮屈さがあり、直線ではじりじりとしか伸びず、前との差は詰めきれなかった。

それでも全体の内容から見れば悲観するほどではなく、地方小回りへの適応力も見せてくれた。今後の牝馬限定戦や、中央でのマイル〜中距離戦であれば、改めて期待できる存在だ。

ライトウォーリア、ミックファイアら中団待機組の限界

ライトウォーリア(8着)とミックファイア(9着)はともに中団からの競馬を選択したが、見せ場を作るには至らなかった。

ライトウォーリアは序盤から5〜6番手あたりを追走し、道中はスムーズだったものの、3コーナーでの加速についていけず置かれてしまった。上がりタイムも40.0秒と伸びを欠いており、年齢的にも衰えが見えてきた印象がある。

ミックファイアはかつての南関クラシック戦線の主役だったが、近走の内容はやや精彩を欠く。今回も最後まで反応が鈍く、直線ではズルズルと後退。上がり40.1秒は苦しい数字で、まだ完全復調には至っていないようだ。

両馬ともに一定の地力はあるが、G1クラスで勝ち切るには展開の助けが必要。特に後ろからの馬には厳しい展開だっただけに、条件次第では巻き返しの余地はある。

ポタジェ、ダート戦線での厳しい現実

芝の中距離G1馬として知られるポタジェは、8歳にして新たにダート戦線に挑戦中だが、今回の結果は10着と厳しいものだった。

馬体重-10kgと絞って出てきたことからも、陣営の気合いは伝わってきた。しかし、スタートからやや行き脚がつかず、後方からの競馬に。道中での追い上げも見られず、直線でも反応は鈍かった。

タイムは2:20.8で、上がりも40.6秒。芝と違い、パワーと粘りが要求されるダートでは適性不足が浮き彫りとなった格好だ。

今後もダート路線を続けるのであれば、地方よりも中央の砂質、特に乾いた馬場の短距離〜中距離あたりで見直したいところ。ただし、芝へ戻るという選択肢も考慮すべきかもしれない。

ガルボマンボ、地方勢の底力は発揮されたか

最後にガルボマンボ。12着と大きく敗れたものの、決して悪い内容ではなかった。馬体重-2kgと状態は安定しており、地方所属馬としての挑戦には価値があった。

序盤から中団の後方につけ、コーナーでも大きなロスはなかった。しかし、ペースが上がった3コーナー以降はついていけず、最後の直線ではバテてしまった。

この馬は本来、もう少し前で運ぶことで持ち味を発揮するタイプであり、今回のようなスローからの瞬発戦は不向きだった。むしろペースが流れてスタミナ勝負になった方がチャンスがあるタイプだ。

今後、船橋や浦和の2000m前後であれば、再び掲示板争いに加わってくる可能性もある。次走の相手関係次第では穴候補として一考の価値はある。

展開分析:超スローからの瞬発力勝負が明暗を分けた

今回の川崎記念の特徴は、何と言っても序盤の超スローペース。ハロンタイムを見ると、前半は「7.1 – 11.1 – 13.4 – 14.8 – 13.8」と続き、1000m通過は明らかに遅かった。このペースでは、前で運んだ馬が有利なはずだった。

しかし、結果として上位に来た馬の多くは中団より後ろから進出してきた組。メイショウハリオやディクテオン、サンライズジパングは差し・追い込み勢であり、終いのキレがものを言う展開になった。

このように「スロー→一気の加速」という流れになると、どうしてもコーナリング性能と瞬発力のある馬が浮上しやすい。コーナーをスムーズに回りながら勢いを維持し、直線で一気にギアを入れられるかどうか。今回のレースでは、その差が如実に結果へ表れている。

一方で、前半で無理に動いた馬や外々を回された馬はスタミナをロスしてしまい、直線では伸びを欠く形となった。特に逃げ・先行勢にとっては、途中でプレッシャーを受け続ける展開は致命的だったと言えるだろう。

騎手評価:濱中俊の完璧な差し脚演出

勝利を導いたのは、JRAの濱中俊騎手。川崎の小回りダートという難しい舞台で、彼の冷静な判断力が際立っていた。

まず素晴らしかったのは、スタート直後のポジション取り。無理に押して前に出ず、あくまで馬のリズムを優先。後方で脚を溜めながら、道中もじわじわと外へ持ち出すという理想的な競馬ができていた。

さらに、仕掛けのタイミングが抜群。3コーナー過ぎから動き始め、スパートする馬たちの後ろでじっと我慢。そして、4コーナーを回った直後にスイッチオン。外から一気に伸びて差し切るという、まさに勝ちパターンのお手本のような騎乗だった。

川崎のダートは砂が深く、最後の直線で勢いをつけても簡単には届かない。しかし、濱中騎手はその特性を熟知しており、馬場の良い外目を選んだことが勝利への決め手となった。

時計と馬場状態から見る川崎記念の傾向

レース当日の川崎競馬場は「稍重」。乾き気味の砂質ではあるが、水分がある分、ある程度の時計は出る状況だった。

それでも勝ち時計「2:18.0」は、過去5年の平均よりもやや遅め。この背景には、前述したスローペースと、砂が深めに仕上がっていた馬場状態が影響していると考えられる。

特に注目すべきは、直線の上がり4F「50.0」、3F「38.2」という数字。これは決して速い上がりではなく、瞬発力勝負とはいえ、馬場の重さが後押しして全体的にパワー型の馬に有利な傾向が出ていたことが分かる。

今後の川崎での長距離戦においても、馬場状態によって展開や結果が大きく左右される傾向は続くと思われるため、「パワー+持久力+加速力」を兼ね備えたタイプを優先して狙いたい。

馬体重・調整過程の視点から見た好走要因

今回のレースでは、馬体重の増減がパフォーマンスに大きな影響を与えた馬も見受けられた。

特に目立ったのはサンライズジパングの-16kgという大幅減。これだけの減り幅は単なる絞りというより、輸送や調整過程での負担があったと見るのが自然だ。結果的に馬は最後まで踏ん張り切れなかった。

逆に勝ち馬メイショウハリオは-9kgながらもパドックでの気配は良好で、筋肉の張りも申し分なし。減った体重がスピードに転化された形だ。

また、ディクテオンも-9kgと大きく減っていたが、こちらも仕上がりが良く、馬体の張りが目立っていた。パフォーマンスとの相関を見ると、「調整成功」と「削れた状態」の差が結果に如実に出ていた印象だ。

この点からも、今後の地方交流戦では馬体重の増減だけで一喜一憂するのではなく、当日のパドックでの動きや張りをしっかりと見極めることが重要と言える。

次走の狙い馬:注目は“キリンジ”にあり!

今回の川崎記念の中で、内容的に最も評価できた一頭が「キリンジ」だ。

結果は4着と表彰台には一歩届かなかったが、10番人気という低評価を覆しての激走。そのレース内容は、今後に繋がる非常に中身の濃いものだった。

まず、ポジション取りが絶妙。中団で脚を溜め、直線で外に持ち出して伸びるという完璧な形。また、前が止まらない展開の中で、じわじわと差を詰めてきた脚力は本物。特にラスト100mの伸びは勝ち馬にも見劣らない迫力だった。

さらに注目すべきは、地方所属馬として中央勢に食い込んできたその勝負根性。川崎や大井の長距離戦なら引き続き安定した成績を残せるはずで、今後の南関重賞では「3着以内」は十分に見込める存在だ。

距離適性、脚質、展開読みと三拍子揃っており、次走で人気が上がらないようならぜひ馬券に組み込みたい一頭である。

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