レース概況
2025年2月2日、東京競馬場で行われた4レース・メイクデビュー東京(ダート1600m)は、3番人気のウィテカービート(横山典弘騎手)がクビ差の接戦を制し、見事なデビューを飾った。稍重のダートで行われたこの一戦は、道中の駆け引きとラストスパートの攻防が光るレースとなった。
スタートから中盤戦
レース序盤、好スタートを決めたのは1番人気のシークザドリーム(西村淳也騎手)。果敢に先頭を奪い、9番エクストラチャージが2番手で続く形となった。その後ろに1番ウィテカービートと10番ミラコレジェンヌが並ぶように追走し、好位でレースを進めた。

中盤ではペースがやや落ち着き、シークザドリームが軽快に逃げる展開。ウィテカービートは先団に取り付き、脚を溜める形を選択。一方、8番プレシャストップは中団後ろ寄りのポジションで待機し、後半の追い込みに備えていた。
直線の攻防

最後の直線に入ると、逃げるシークザドリームにウィテカービートがじわじわと迫る。残り200mで並びかけると、両馬の一騎打ちに。外からプレシャストップが鋭い末脚で猛追するが、前の2頭にはわずかに届かず。結局、最後はウィテカービートがクビ差で競り勝ち、デビュー戦を白星で飾った。


レースのポイント
1. 横山典弘騎手の巧みなレース運び
ウィテカービートは終始、絶好位でレースを進め、直線では馬群をうまくさばいて勝利をつかんだ。ベテラン騎手の冷静な騎乗が光った。
2. シークザドリームの粘り
1番人気に推されたシークザドリームは、最後まで勝ち負けに絡む強い走りを見せた。勝利こそ逃したが、新馬戦としては上々の内容で、次走も注目したい。
3. プレシャストップの末脚
後方からの競馬となったプレシャストップだったが、上がり37.7秒という鋭い脚を使い、3着を確保。展開次第では勝ち負けも狙えた内容だった。
勝ち馬 ウィテカービートの評価
ウィテカービートは、父サトノアラジン×母シルショコラティエという血統背景を持つ良血馬。510kgの雄大な馬体を活かしたパワフルな走りが印象的だった。ダート適性も十分で、今後の成長が楽しみな1頭だ。
次走以降は、同条件の1勝クラス戦がターゲットとなりそうだが、レース内容次第ではさらに上のクラスを目指せる可能性も秘めている。
まとめ
東京ダート1600mの新馬戦は、ウィテカービートが接戦を制し、将来性を示す勝利を収めた。惜しくも敗れたシークザドリームや、鋭い末脚を見せたプレシャストップも今後の活躍が期待される。新馬戦ならではのフレッシュな戦いが繰り広げられた一戦だった。
各馬の詳細な振り返り
1着 ウィテカービート(横山典弘騎手)
勝ちタイムは1分41秒1。レース全体の流れを見極め、無理のないポジショニングで終始安定した競馬を展開。直線でしっかりと伸び、最後はクビ差ながら勝負強さを見せた。稍重のダートも難なくこなし、初戦としては申し分ない内容だった。
今後の展望
新馬戦らしくまだ粗削りな部分はあるものの、しっかり折り合いをつけながら直線で力強く伸びた点は評価できる。距離延長にも対応できそうで、今後の選択肢は広い。次走は1勝クラス戦への出走が有力だが、重賞戦線を見据える可能性もある。
2着 シークザドリーム(西村淳也騎手)
単勝1番人気に支持されたシークザドリームは、道中から積極的に先頭を確保。自らペースを作る形となったが、直線でウィテカービートの強襲に屈し、惜しくも2着。勝ち馬にわずかクビ差まで迫られたものの、内容的には評価できる走りだった。
今後の展望
逃げて結果を残したことで、今後も同じような戦法を取る可能性が高い。先行力を活かせる短距離戦や、もう少し時計のかかる馬場が向くかもしれない。今回はクビ差の惜敗だったが、次走で勝ち上がる可能性は十分にある。
3着 プレシャストップ(嶋田純次騎手)
道中は中団やや後方の8番手を追走し、直線では目を見張る末脚を披露。上がり37.7秒はこのレースで最速の数字であり、もしもう少し前で競馬を進めていれば勝ち負けに加われた可能性がある。9番人気と低評価だったが、見どころのある走りを見せた。
今後の展望
今回の走りから、展開次第ではさらに上位争いが可能な馬。直線の長い東京コースや、末脚を活かせる阪神や中京のダートコースが向く可能性が高い。次走は展開次第で台頭するシーンも十分に考えられる。
4着以下の注目馬
4着 エムティエスターテ(原優介騎手)
スタート後は5番手で追走し、直線に向かうところまではスムーズな競馬。しかし、最後の直線でやや内に斜行する場面があり、10番ミラコレジェンヌに影響を与えたことで戒告を受けた。それでも3着とは0.5秒差の4着と善戦しており、次走はさらに前進が期待できる。
5着 ニシノベニトアイト(田辺裕信騎手)
中団の5番手あたりでじっくりと脚を溜める競馬。直線ではしぶとく伸びたものの、勝ち負けには絡めなかった。それでも初戦としては内容があり、次走はさらに上積みが期待される。
9着 エクストラチャージ(横山和生騎手)
道中は2番手を追走し、勝ち馬と同様に好位から競馬を進めた。しかし、4コーナーでは手応えが怪しくなり、直線では早々に脚が上がってしまった。最後は3馬身半差の9着と大きく後退。まだ実戦経験が不足している印象で、次走の巻き返しに期待したい。
レース全体の振り返り
1. 仕掛けどころが明暗を分けた展開
東京ダート1600mは比較的ペースが落ち着きやすいコース設定だが、今回のレースでは序盤から積極的に前へ行く馬が多く、ハイペース気味の流れとなった。特に、シークザドリームが逃げ、エクストラチャージがそれをマークする形になったことで、前半のペースは速めに推移。そのため、直線で前が苦しくなり、差し・追い込み勢にもチャンスが出てきた。
2. 上がり最速馬が3着に入る展開
プレシャストップが上がり最速(37.7秒)を記録し、9番人気ながら3着に食い込んだ。これは、前半に速めのペースでレースが進み、前の馬が直線で失速したことが影響していると考えられる。直線の長い東京コースらしい決着となった。
3. 荒れた馬券の結果
単勝3番人気のウィテカービートが勝利したが、3着に9番人気のプレシャストップが入ったことで、3連単は62,490円と波乱の結果に。特に、1-8のワイド馬券が53番人気の5,680円という高配当になり、多くのファンを驚かせた。
今後の注目ポイント
- ウィテカービートの次走選択
逃げ・先行勢が残る展開の中、好位から抜け出して勝利した内容は評価できる。2戦目でのさらなる成長が期待される。 - シークザドリームの巻き返し
逃げの形を取ったが最後は僅差の2着。次走も同じような競馬ができれば、十分勝ち上がれる能力はある。 - プレシャストップの末脚再現
9番人気ながら3着に突っ込んできた末脚は本物。展開が向けばさらに上位争いが可能な存在になりそうだ。
総括
2025年2月2日、東京競馬場で行われた新馬戦(ダート1600m)は、ウィテカービートが鮮烈なデビュー勝ちを飾った。前半は速めの流れだったものの、冷静な立ち回りを見せたウィテカービートがゴール前で競り勝ち、将来性を示す内容となった。敗れたシークザドリームや、3着に突っ込んだプレシャストップも今後注目の1頭。次走以降の活躍に期待が高まる一戦だった。
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