2025年2月1日、東京競馬場の5レース「メイクデビュー東京」(芝1600m)は、良馬場のもと、16頭の3歳新馬によって争われた。レースは終始、スローペースで展開し、最後の直線での瞬発力が求められる戦いとなった。
レース展開:序盤は牽制、勝負どころで明暗分かれる
ゲートが開くと、1番ピースフルゴールドがハナを奪い、2番ヨカゼ、6番ワカムシャがそれに続いた。一方、勝ち馬となる8番マテンロウバローズは、スタート後やや控えめに中団の4、5番手からレースを進める形となった。
3コーナーを迎える頃には、依然としてピースフルゴールドが先頭。内からヨカゼ、ワカムシャ、そして外から7番ヴノブリンカー着用が前へ迫る。そのすぐ後ろでマテンロウバローズは横山典弘騎手の手綱に導かれ、じっくりと勝負のタイミングをうかがっていた。
4コーナーに入ると、先頭のピースフルゴールドは徐々に脚色が鈍り、ヨカゼとヴノブリンカー着用が並びかける。ここで、外を回しながら8番マテンロウバローズがスムーズに進出。直線に向いた時点で前との差はわずかだった。
直線勝負:マテンロウバローズが抜け出す
最後の直線に入り、マテンロウバローズが一気にギアを上げる。内のヴノブリンカー着用、外のセゾンデフィーユが伸びてきたが、残り200mの地点で8番マテンロウバローズが鋭く反応し、前を捉えると力強く抜け出した。セゾンデフィーユも粘り強く食らいつくものの、マテンロウバローズが3/4馬身差で勝利を収めた。3着には、最後までしぶとく伸びたヴノブリンカー着用が入線した。
勝因と注目点
マテンロウバローズの勝因は、スムーズな位置取りと直線での加速力にあった。道中は中団で脚を溜め、3コーナーから4コーナーにかけては無理なく前との差を詰め、直線での決め手につなげた。上がり3F34.7秒は、上位馬の中でも優秀な数字。横山典弘騎手の手腕が光る見事な騎乗だった。
2着のセゾンデフィーユも上がり34.6秒と速い末脚を見せたが、マテンロウバローズにあと一歩届かず。3着のヴノブリンカー着用は、4コーナーで先団につけたものの、直線ではやや伸び切れなかった印象だ。
勝ち馬プロフィール
マテンロウバローズ(牡3)
- 父:ロジャーバローズ
- 母:パルテノン
- 馬主:寺田 千代乃
- 生産牧場:ムラカミファーム
- 管理調教師:昆貢
父のロジャーバローズは2019年の日本ダービー馬。持ち味である持続力と切れ味を受け継いでおり、今後の成長が期待される。
今後の展望
マテンロウバローズの勝利は、今後のクラシック戦線に向けて好スタートを切った形となった。今回のレースを見る限り、距離延長にも対応できそうな走りをしており、マイルから中距離戦線での活躍が期待される。次走がどのレースに向かうか注目が集まるだろう。
また、2着セゾンデフィーユも高い素質を示しており、次走以降での巻き返しが期待される。3着ヴノブリンカー着用も堅実な走りを見せており、経験を積めば上位争いに加わる可能性が高い。
東京競馬場での新馬戦を制したマテンロウバローズ。この勝利が未来の大舞台への第一歩となるか、今後の走りに注目したい。
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