晴天の中、中京競馬場で行われた第30回プロキオンステークス（G2）は、ダート1800mの舞台で16頭が熱い戦いを繰り広げました。今年の主役となったのは、5番人気のサンデーファンデー（鮫島克駿騎手、音無秀孝厩舎）でした。
勝馬サンデーファンデーの輝き
2020年生まれの牡5、父スズカコーズウェイと母ファーストレディの血を引くサンデーファンデーは、北海道サマーセール出身の馬。レース前の馬体重は526kg（-2kg）と、調整が絶妙に仕上がった状態でした。スタート直後から安定した走りを見せ、直線での末脚も鋭く、ゴール前で際立った強さを見せつけました。
タイムは1分50秒6と、レコード更新には届かなかったものの、最後まで粘り強く、接戦を制しました。この勝利で、彼は重賞初制覇を果たし、これからの活躍がさらに期待される一頭となりました。
レースの展開と注目ポイント
このレースのラップタイムを見ると、13.1 – 11.4 – 12.7 – 12.3 – 11.8と前半はややスロー気味に進みましたが、中盤から後半にかけてペースが上がり、持久力とスピードを併せ持つ馬が上位に顔を出しました。特に上がり3ハロン37.3秒でまとめたサンデーファンデーの安定感は際立っています。
1コーナーではサンデーファンデーが先頭集団をキープしながら、3コーナーでは後続との差をうまく調整。そして最後の直線では、同じ音無厩舎所属のサンライズジパングとの激しい競り合いを制しました。
その他の上位馬たち
2着には1番人気のサンライズジパング（坂井瑠星騎手、音無秀孝厩舎）が入りました。終盤の伸び脚は目を見張るものがありましたが、あと一歩及ばず。タイム差はアタマ差と極めて僅差でした。
3着にはドゥラエレーデ（川田将雅騎手、池添学厩舎）が入りました。こちらも直線では迫力ある走りを見せ、上位争いに加わりましたが、最後はクビ差での惜しい結果に。トップ3の激しい攻防は見ごたえ十分でした。
レース全体を振り返って
今回のプロキオンステークスは、好天に恵まれた中、良馬場でのスピード勝負となりました。上位陣の馬たちはいずれも素晴らしい走りを見せ、観客を魅了する展開となりました。
また、調教師・音無秀孝厩舎の馬が1着と2着を独占した点も注目に値します。厩舎としての調整力や戦略の妙が光った一戦でした。
今後の展望
サンデーファンデーは、この勝利でさらなるステップアップが期待されます。次走の予定はまだ明らかになっていませんが、G1戦線への挑戦も視野に入ってくることでしょう。さらに成長した姿を見せてくれることを楽しみにしたいと思います。
「プロキオンステークス」は、今年も多くのドラマを生み出し、競馬ファンの記憶に深く刻まれるレースとなりました。次回の重賞戦線でも、どのような熱戦が繰り広げられるのか、今から待ち遠しい限りです。
中団勢の奮闘と波乱の展開
レース中盤では、勝負所を見極めた馬たちが動き出し、ペースがさらに上がりました。特に注目されたのは、3番人気のドゥラエレーデ（川田将雅騎手）が4コーナーで果敢に仕掛け、勝ち馬サンデーファンデーに迫った場面です。惜しくもクビ差で3着となったものの、全体のレース展開を引き締める存在感を見せてくれました。
また、7番人気のロコポルティ（角田大和騎手）は、中団でじっくり構えながらも終盤に失速し、15着と期待を裏切る結果に終わりました。同馬は本来、上がり勝負に強みを持つタイプとされていましたが、ペースが合わず、厳しい展開となった模様です。騎手変更の影響も少なからずあったのかもしれません。
一方で、伏兵のホウオウルーレット（岩田康誠騎手）は8番人気ながら、4着に粘り込みました。馬場状態や展開が不利だった中、最後まで食らいついた走りは評価に値します。ベテラン騎手の手腕と、持ち味を活かした戦術が功を奏した結果といえるでしょう。
波乱含みの着順と馬券結果
馬券的にも見どころが多かった今回のレース。単勝オッズは5番人気のサンデーファンデーが勝利し、970円という控えめな配当となりましたが、3連単は22番人気の組み合わせで10,680円と適度な波乱が生まれました。
注目のワイドでは、1番人気と3番人気の組み合わせ（3-9）が270円と堅実な結果となった一方で、8番人気（1-3）は600円と中波乱を演出しました。特に複勝では、1着のサンデーファンデーが250円とやや妙味のある配当を示し、穴党にも満足できる結果となったのではないでしょうか。
調教師と厩舎の活躍
このレースで特筆すべきは、1着のサンデーファンデーと2着のサンライズジパングを管理する音無秀孝厩舎の手腕です。同厩舎の馬がワンツーフィニッシュを果たすのは非常に珍しく、厩舎全体としての充実ぶりを象徴する結果でした。
音無調教師は、レース後のインタビューで「どちらも良い仕上がりを見せてくれた。特にサンデーファンデーは展開に助けられた部分もあるが、彼自身の力で勝ち取った勝利だ」と語っており、満足感を滲ませていました。
課題が浮き彫りとなった馬たち
一方で、人気を裏切った馬たちも目立ちました。2番人気のオメガギネス（松山弘平騎手）は、7着と精彩を欠いた内容でした。馬体重が変動せず万全の状態と見られていただけに、この結果は課題を残す形となりました。調教師のコメントでは、「直線で思ったほど伸びなかった。馬場適性を再検討したい」としており、次走以降の巻き返しに期待がかかります。
また、前走で好成績を収めたカズペトシーン（西村淳也騎手）は、4番人気に支持されながらも6着に終わりました。良馬場ではもう少し粘りを見せると期待されていただけに、今回の結果は少し残念でした。しかし、展開次第では再浮上のチャンスも十分にありそうです。
第30回プロキオンステークスを終えて
第30回プロキオンステークスは、勝ち馬サンデーファンデーの成長と、音無厩舎の強さが際立ったレースとなりました。一方で、人気馬たちが崩れる中、伏兵たちの健闘が見られた点も、このレースの魅力を深めたといえます。
次回以降の重賞戦線でも、それぞれの馬たちがどのような走りを見せてくれるのか注目していきたいと思います。特に、サンデーファンデーのさらなる飛躍に期待しつつ、今後のG1戦線での活躍を楽しみに待ちたいものです。
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