新星リラエンブレム快勝!浜中騎手の高評価コメントが話題
中京競馬場で行われた第59回シンザン記念(GIII)は、リラエンブレムが圧巻の走りで重賞初制覇。浜中俊騎手は「本当に強い」と絶賛し、今後の成長にも期待を寄せました。他の上位馬のコメントも交え、レース後の手応えを詳報します。
武豊、歴史的重賞で痛恨の騎乗停止!シンザン記念の波乱を斬る
武豊騎手がシンザン記念で斜行し、5年半ぶりの騎乗停止処分を受けた。シンザン記念9勝目を狙った一戦だったが、進路妨害が他馬に影響を及ぼしたことにより、1月25日から4日間の騎乗停止が決定。名手にとっても苦い結果となった。
リラエンブレムが鮮烈な重賞初V!無傷の2連勝で新世代の風を巻き起こす
第59回シンザン記念は、浜中俊騎手騎乗のリラエンブレムが抜け出して快勝。父キズナの血統背景を活かし、無敗のまま重賞初制覇を達成した。2着には1番人気アルテヴェローチェ、3着には14番人気のウォーターガーベラが食い込んだ。浜中騎手にとって同レース5勝目の記念すべき一戦となった。
シンザン記念2025予想|「余力十分で馬体の張りも上々」追い切り好調馬に注目!
栗東トレセンから届いた最新追い切り情報をもとに、シンザン記念の注目馬をピックアップ!◎アルテヴェローチェの仕上がりは万全、〇マイネルチケットも重賞制覇のチャンス到来!調整過程で光る動きを見せた各馬の状態を徹底分析します。
シンザン記念で注目の2頭!種牡馬「キズナ」と「アドマイヤマーズ」の血に迫る
シンザン記念の舞台は中京競馬場に
1月13日(月)、3歳馬たちによるクラシックへの登竜門とも言えるGⅢシンザン記念(芝1600m)が、中京競馬場で開催される。通常は京都競馬場で行われるこのレースだが、今年も阪神競馬場のリフレッシュ工事に伴い、中京での施行が継続される。
今年のシンザン記念における血統的注目ポイントは「キズナ」と「アドマイヤマーズ」という、今まさに評価が急上昇している2頭の種牡馬だ。彼らの産駒から、クラシック戦線を賑わせる可能性を秘めた期待の馬を見ていこう。
リラエンブレムに見る「キズナの成功パターン」
まず注目したいのは、リラエンブレム(牡3歳、栗東・武幸四郎厩舎)だ。同馬の父であるキズナは、GⅠ日本ダービー(東京・芝2400m)を制し、昨年にはJRAリーディングサイアーのタイトルを獲得。種牡馬としての存在感が年々高まっている。
特に、現3歳世代では重賞勝ち馬を続々と輩出している。代表的なところでは、GⅢ札幌2歳Sを勝利したマジックサンズや、GⅢアルテミスSを制したブラウンラチェットが挙げられる。
リラエンブレムの母系にも注目したい。母デルフィニアⅡは欧州の大種牡馬ガリレオを父に持ち、仏GⅠロワイヤリュー賞や英GⅠチャンピオンズフィリーズ&メアズSで2着に入るなど、実績ある馬だ。さらに祖母アゲインは、アイルランドのクラシック競走であるGⅠ愛1000ギニーを制した実力馬である。
リラエンブレムの配合は、キズナ産駒の成功パターンに合致する。特に、母系にデインヒルの血を持つ点がポイントだ。これまでキズナ産駒の中で、デインヒルの血を持つ馬は3歳重賞戦線で好走するケースが目立つ。過去の成功例としては、GⅠ皐月賞を制したジャスティンミラノ、地方交流重賞を勝ったサンライズジパング、GⅢ京都2歳Sを制したエリキングなどが挙げられる。また、これらの馬は総じて早期からの完成度が高く、仕上がりの速さが特徴となっている。この点は、クラシック戦線に向けたアドバンテージとなり、シンザン記念のような早い時期の重賞では特に重要な要素だ。
さらに、母の父がガリレオ系であり、デインヒル系の血を持つ点も好材料だ。これまでの傾向から、こういった配合パターンの馬は3歳春までに重賞を制するケースが多く、仕上がりの早さも特徴となっている。
昨年10月27日に京都・芝1600mの新馬戦を制したリラエンブレムは、1戦1勝の戦績。勝ち時計は1分34秒2と優秀ではあるが、特筆するようなタイムではない。しかし、レース内容は非常に余裕のあるもので、さらなる成長が期待される。今回、重賞の舞台でも即通用する可能性は高い。
メイショウツヨキが秘めるアドマイヤマーズの可能性
対抗馬として推したいのは、メイショウツヨキ(牡3歳、栗東・飯田祐史厩舎)だ。
父アドマイヤマーズは、現3歳世代が初年度産駒となる新種牡馬。現役時代には、GⅠ朝日杯フューチュリティS、GⅠNHKマイルC、GⅠ香港マイルを制した実績がある。その父ダイワメジャー譲りの2歳、3歳戦での強さが産駒にも受け継がれている。
アドマイヤマーズ産駒は、産駒数こそ少ないものの、初年度から新馬戦や未勝利戦で多数の勝ち星を挙げている。特に2歳戦での勝率は、新種牡馬リーディングを獲得したサートゥルナーリアを上回る水準だ。
メイショウツヨキの母メイショウヒサカタは、2歳9月の新馬戦で逃げ切り勝ちを収め、3歳3月にはオープンの昇竜Sを制している。新馬戦の勝ちタイムは1分11秒3で、上がり3ハロンは35秒0を記録した。また、昇竜Sでは2着に4馬身差をつける圧勝劇を披露し、相手には後に交流重賞を制する実力馬も含まれていた。母はダート路線で4勝を挙げた実績があり、芝にも対応可能な血統背景があり、早期完成型の特性を受け継いでいると考えられる。
昨年8月に中京・芝1600mで行われた未勝利戦では、1分34秒1という世代最速タイムを記録して快勝。この点も、同じ中京・芝1600mが舞台のシンザン記念において、重要な材料となる。
また、父アドマイヤマーズ自身も中京・芝1600mでは新馬戦と中京2歳Sを勝利しており、同コースに対する適性は高い。
まとめ
今年のシンザン記念では、キズナ産駒のリラエンブレムと、アドマイヤマーズ産駒のメイショウツヨキに注目したい。両馬ともに、血統的な成功パターンに合致し、3歳春の段階で重賞戦線に名乗りを上げる可能性を秘めている。
中京競馬場という特殊な舞台設定も、これらの馬にとってプラスに働くと見られる。今年のクラシック戦線に向け、ここから新たなスター候補が誕生するのか、注目の一戦だ。
重賞最強データ!人気薄でも期待大の伏兵コンビに注目
今年のシンザン記念(G3、芝1600m)は、2年ぶりに中京競馬場での開催となります。例年の阪神競馬場とは異なる舞台設定が予想に影響を及ぼす可能性が高く、過去の中京芝1600mデータを活用した分析が不可欠です。今回は、特に3歳馬に絞って集計したデータをもとに、有力候補を絞り込みました。
中京芝1600mの最強データ分析
騎手部門トップは松山弘平騎手!
中京芝1600mでの騎乗成績は【7-1-3-22】。勝率21.2%、複勝率33%と、非常に安定した数字を記録しています。さらに、今年の中京開催初日と2日目で松山騎手はすでに5勝を挙げる好調ぶり。この勢いに乗る松山騎手は、今回レーヴブリリアントに騎乗します。前走4着からの巻き返しを狙う一戦で、注目度は非常に高いと言えるでしょう。
厩舎部門トップは中内田充正厩舎!
中内田厩舎の中京芝1600mにおける3歳馬成績は【4-1-3-10】で、勝率22.2%、複勝率44.4%という優秀な数字を記録しています。過去には、阪神ダート新馬戦で12着だったアスクコンナモンダを、中京芝未勝利戦で見事に1着へ導いた実績もあります。今回、中内田厩舎から出走するゴールデンカイトも、同様にダート戦からの転戦となりますが、芝適性を見込んでの出走と考えられ、要注目です。
血統部門トップはキズナ産駒!
過去3年間の中京芝1600mにおける3歳馬成績では、キズナ産駒が【6-3-2-31】。勝率14.3%、複勝率26.2%を誇ります。今回のメンバーの中で唯一のキズナ産駒であるリラエンブレムは、新馬戦を0秒3差で快勝した素質馬。未知数な部分は多いものの、舞台適性が高い可能性は十分にあり、人気薄でも積極的に狙いたい1頭です。
岩田望来騎手に注目!
特筆すべきは、岩田望来騎手の成績です。過去3年間、中京芝1600mでの3歳馬騎乗成績は【6-5-4-12】。勝率22.2%、複勝率55.6%という驚異的な数字を残しています。今回のラージギャラリーとのコンビは特に注目すべきです。
ラージギャラリーは、前走で中京芝1600mを圧巻の逃げ切り勝ちを収めており、コース適性を証明済みの一頭。このコンビは伏兵としての魅力があり、人気を落とすようであれば馬券的な妙味が高まります。
伏兵コンビの激走に期待!
今回のシンザン記念は、2年ぶりの中京開催というイレギュラーな条件下で行われるため、過去のデータから浮上する候補馬の存在が重要です。特に注目すべきは、松山弘平騎手が騎乗するレーヴブリリアント、中内田厩舎が送り出すゴールデンカイト、そして岩田望来騎手が手綱を取るラージギャラリーの3頭です。
松山騎手の勢い、中内田厩舎の実績、そして岩田望来騎手の驚異的な中京芝1600m成績。それぞれが強調材料として十分であり、人気薄からでも一発の可能性が高い伏兵コンビとして注目すべきです。
今年のシンザン記念は、波乱の要素が満載。データを駆使して的確な予想を立て、馬券的中を狙いましょう!
シンザン記念の注目馬たちが見せた調教の手応え
第59回シンザン記念(1月13日、中京競馬場・芝1600メートル)に向けて、各馬が追い切りを行い、調整は最終段階に入っている。注目を集めるのは、良血馬レーヴブリリアントと、安定した重賞成績を誇るマイネルチケットだ。それぞれの調教師からのコメントも含め、レースに向けた期待が高まる。
良血レーヴブリリアントの進化が光る
母がG1・4勝馬リスグラシューの半妹という血統の持ち主、レーヴブリリアント(牡3歳、美浦・田中博康厩舎)は、今回の追い切りで成長をアピールした。美浦トレセンで行われた3頭併せの追い切りでは、直線で外に進路を取ると素早く反応。軽く追われただけで中のアールヴィヴァン(3歳新馬)に併入し、内のキングノジョー(3歳1勝クラス)には1馬身先着するという鋭い動きを見せた。
田中博調教師は、「しっかりした脚取りで走れていました。心身の落ち着きが出てきたし、短期間での変化を感じます」とコメント。ここまでの2戦では後方からの競馬が続いているが、「そんなに切れるタイプではないし、ゲートの出もよくなってくると思いますから」と、先行策を視野に入れていることを明かした。
父スワーヴリチャードの産駒としても注目されるレーヴブリリアント。今回の調教では6ハロン82秒3-11秒7というタイムを記録しており、スピードと反応の良さが際立った。初重賞挑戦となるが、持ち前の血統と成長を武器に好走を期待したい。
重賞で安定感を見せるマイネルチケット
一方、昨秋の重賞で連続好走を見せたマイネルチケット(牡3歳、栗東・宮徹厩舎)は、坂路で軽快な動きを披露した。単走での追い切りでは、53秒4-12秒5のタイムをマーク。力みのないリラックスした走りで、ラストは手綱を動かされることなくスムーズに加速した。
宮調教師は、「動きは良かったよ。順調。毛づやもすごくいいし、状態面もいい感じできている」と笑顔を見せる。これまでに中京競馬場での勝利経験もあり、荒れた馬場でも動じないタフさを持つマイネルチケット。デビュー2戦目の中京で初勝利を挙げ、その後も重賞で3着、2着と安定感を示している。
「能力は高いよ。崩れないし、前に行ってひと踏ん張りが利く。自分の能力だけはしっかり走るからね」と、トレーナーもその安定感を高く評価。今回も先行策からしぶとく粘り、勝ち負けに持ち込む競馬が期待できる。
勝利を狙う陣営の思惑
マイネルチケット陣営は、11年ぶりのJRA重賞勝利を目指している。3日の1週前追い切りでは、坂路で51秒8-11秒7という自己ベストを記録しており、しっかりと負荷をかけた調教を消化してきた。宮調教師は「中京は勝っているし、荒れた馬場も気にしない。距離もジョッキー(戸崎圭太)がうまくなだめてくれているから、マイルまでは大丈夫」と、万全の態勢であることを強調している。
一方のレーヴブリリアントも、田中調教師が「短期間での変化」を感じるなど、着実に成長している様子がうかがえる。父スワーヴリチャードの産駒として、初の重賞タイトルを手にする可能性も十分だ。
まとめ
第59回シンザン記念は、良血馬レーヴブリリアントと、重賞で安定した成績を残しているマイネルチケットの一騎打ちに注目が集まる。両馬ともに調教内容が良く、陣営も手応えを感じている様子だ。特に、レーヴブリリアントは父スワーヴリチャード譲りの成長力を見せており、初タイトル奪取の期待が高まる。
一方で、マイネルチケットは安定感が抜群であり、勝ち切る可能性も高い。調教タイムやこれまでのレース内容を踏まえ、両馬がどのようなレースを見せるのか、ファンの注目が集まる一戦となりそうだ。
武豊と初タッグのタイセイカレント、反撃を狙う――レジェンドとの新たな挑戦
クラシックの登竜門、日刊スポーツ賞シンザン記念(G3、芝1600メートル)が1月13日(月曜)に中京競馬場で行われる。3日間開催の最終日となるこのレースで、矢作芳人調教師は愛馬タイセイカレントとともに、新たな戦略を模索している。今回は、日本競馬界のレジェンド、武豊騎手との初タッグが実現する。
前走の朝日杯フューチュリティステークス(FS)では、大外枠の不利もあり15着と苦しい結果に終わったタイセイカレント。しかし、矢作師は「前走は枠が一番大きな要因だった。道中で若さを見せ、経験の差が出た」と振り返る。その反省を踏まえ、今回は名手・武豊を背に、重賞制覇を目指す。3日の1週前追い切りでは、Cウッドコースで6ハロン80秒8の自己ベストを記録し、好調ぶりをアピール。「ここまでは順調そのもの。前走の影響もなく、ダメージはゼロ。レジェンドに恥ずかしい競馬はさせない」と力強く語る。
アルテヴェローチェ、中3週での決断――須貝調教師の思惑
もう1頭注目すべきは、朝日杯FSで5着に入ったアルテヴェローチェだ。須貝尚介調教師は、中3週という短い間隔での参戦を決断。これには確かな理由がある。「前走はペースが合わず、ジョッキーも苦戦していた。しかし、この馬の潜在能力は確かだ」と手応えを感じている。
最終追い切り前日には坂路で4ハロン58秒6-13秒2をマーク。調整の意図について、須貝師は「オープンクラスならこの時計でも速いとは言えない。明日の最終追い切りでは軽めに攻めるつもり」と語り、レース本番に向けて余裕のある姿勢を見せた。
リカントロポ、未知なる可能性を秘めて――梅田調教師の挑戦
未勝利戦を勝ち上がり、シンザン記念に挑むリカントロポも注目だ。梅田智之調教師のもと、最終追い切りはウッドチップコースで併せ馬。リラックスした走りで、6ハロン81秒0-11秒9をマークし、併走相手に先着を果たした。
梅田師は「終始馬なりだったが、非常にいい動きだった。仕上がりに関しては申し分ない」と高評価を与える。しかし、重賞初挑戦のプレッシャーは否めない。「未勝利を勝ったばかりなので、相手関係が鍵。ただ、前走は抜け出してから遊ぶ余裕があったほど。この馬の底力に期待したい」と、未知なる可能性を信じている。
シンザン記念2025――新星の誕生に期待
G3シンザン記念は、これまでにも多くのクラシックホースを輩出してきた伝統ある一戦だ。今年も有力馬が集い、熾烈な争いが繰り広げられるだろう。
矢作厩舎のタイセイカレントは、名手・武豊を迎え入れたことで、どのような変化を見せるのか。一方、アルテヴェローチェの須貝師は、その潜在能力を信じて送り出す。また、リカントロポは重賞の壁を越え、新たなスターホースとなる可能性を秘めている。
各陣営の期待と意気込みが交錯するシンザン記念。2025年のクラシック戦線を占う重要な一戦として、見逃せないレースとなりそうだ。
勝負の1週前追い切りで見えた光と影
G3シンザン記念に向けた1週前追い切りで動きの良かった注目馬を取り上げていきます。今年のレースは、中京芝1600mという舞台で行われるだけに、スピードとタフさが求められますが、各馬の仕上がり具合はいかがでしょうか?さっそく注目馬を見ていきましょう。
注目馬①:マイネルチケット
最初に注目したいのは、マイネルチケットです。この馬は、すでに中京コースで未勝利勝ちを果たしており、コース適性の高さが期待できます。特に、この馬の強みは、行きっぷりの良さ。先行してレースを進めることができる点は、中京のようなタフなコースで有利に働くでしょう。
1週前追い切りでは坂路で抜群の好時計をマークし、動きの良さが際立ちました。ここまで間隔を空けての参戦ですが、疲れが見られず、むしろフレッシュな状態をキープしています。また、戸崎騎手が引き続き騎乗予定というのも注目ポイント。マイネルの馬に連続で戸崎騎手が騎乗するのは珍しいケースで、陣営もこの馬の能力を高く評価している証拠と言えるでしょう。
注目馬②:ウォーターガーベラ
続いて取り上げるのは、ウォーターガーベラ。この馬も中京の未勝利戦で勝ち上がった実績があります。前走はG1レースに向かう予定だったものの、除外となり急遽中京に出走することになりました。その影響もあり、レースではチグハグな内容に終わりましたが、能力的にはもっと上を狙える馬です。
この中間の1週前追い切りでは、CWコースで長めからしっかりと好時計を記録。中間の動きを見ても状態は良さそうで、前走の不完全燃焼をここで晴らす可能性が高いと言えます。
注目馬③:シホリーン
3頭目はシホリーンです。この馬は、アルテミスS以来の出走となりますが、乗り込み量が非常に豊富で、しっかりと態勢を整えてきています。
この中間では、同厩舎のアーバンシックやハーツコンチェルトといった強力な併せ馬を行い、互角以上の動きを見せています。特に先行してからの動きに磨きがかかっており、状態の良さが際立っています。中京芝1600mという舞台でも持ち味を発揮できる仕上がりと見て良さそうです。
注目馬④:リカントロポ
最後に紹介するのは、リカントロポ。この馬は使われるごとに行きっぷりが良化しており、今回のメンバーでも先行力を活かして粘り込みが期待できます。
前走の未勝利戦を勝ち上がったあと、間隔が少し空きましたが、この中間の追い切りは非常に良好。2週前の坂路での時計、1週前のCWでのタイムも前走以上の好内容で、状態面の上昇気配が感じられます。特に、追われた際の反応が良く、今回も先行して粘り強い競馬ができそうです。
総評
今回の1週前追い切りで動きが目立ったのは、マイネルチケット、ウォーターガーベラ、シホリーン、リカントロポの4頭です。いずれも中京コースでの実績がある馬であり、今回の舞台にフィットしそうな仕上がり具合を見せています。
特に、マイネルチケットのフレッシュな状態は魅力的ですし、ウォーターガーベラも前走の悔しさを晴らす走りが期待できるでしょう。シホリーンとリカントロポも、しっかりと調整が進んでおり、どの馬も一発がありそうです。
シンザン記念のレース本番に向けて、引き続き最終追い切りの動きもチェックし、さらに仕上がり具合を見極めたいと思います。注目馬たちがどんな走りを見せるのか、楽しみです!
期待高まるミニトランザット、新たな一ページを刻むか
第59回シンザン記念(G3)が1月13日に中京競馬場で開催される。今週末は東西で3歳馬の重賞戦が行われる中、このレースに注目が集まるのは1戦1勝のミニトランザットだ。デビュー2戦目で挑む重賞挑戦は、調教師の杉山佳明師にとっても大きな期待がかかる一戦となる。
昨年の年始、同じ厩舎から送り出されたイフェイオンがフェアリーSで重賞を制し、杉山佳厩舎に初タイトルをもたらしたことは記憶に新しい。そのイフェイオンの全弟にあたるのがミニトランザットだ。「こちらは牡馬のぶん、扱いやすいです。追い出してから沈むようなところは姉と似ていますよ」と杉山調教師は語る。姉弟そろって重賞制覇を成し遂げるのか、注目が集まる。
デビュー戦は昨年11月に行われた一戦だったが、順調とは言えない道のりを歩んできた。春には飛節の手術を受け、長期間のリハビリを経てのデビューだった。それでも、初戦では後続を6馬身差で突き放す圧巻の走りを見せた。その後も着実に調教を重ね、4日には栗東トレーニングセンターのCWコースで併せ馬を実施。「追い切るごとに良くなっています」と杉山師の言葉からも、成長がうかがえる。
ミニトランザットの血統背景は厩舎にとっても特別なものだ。杉山師が厩舎開業時に託された牝馬コスタボニータは、昨年福島牝馬Sを勝利している。この血統は厩舎を支える重要な血脈であり、ミニトランザットの伯母にあたる。そんな縁深い一族に関して、杉山師は谷掛龍夫オーナーに自らミニトランザットの購入を依頼。「イフェイオンが重賞を勝つ前でしたが、リストアップしていました。この一族らしい、いい馬でした」と、当時の思いを語る。
今回のシンザン記念は、2戦目での重賞挑戦というだけでなく、今後のクラシック戦線を見据えた試金石にもなる。「2000メートルまではもってほしいと思っています。力のいる中京マイルでどれだけ走れるか、楽しみにしています」と杉山師は話す。この中京競馬場の芝1600メートルという舞台が、ミニトランザットの適性を見極める重要な場となるだろう。
主な全きょうだいによる重賞制覇例
競馬の世界では、全きょうだいが重賞を制することは珍しくない。これまでにも、血統の強さを証明してきた例が数多く存在する。
- ダンスパートナー(92年生まれ、95年オークスなど3勝)&ダンスインザダーク(93年生まれ、96年菊花賞)&ダンスインザムード(01年生まれ、04年桜花賞など4勝)
- ドリームジャーニー(04年生まれ、09年有馬記念など7勝)&オルフェーヴル(08年生まれ、11年牡馬3冠など11勝)
- リアルスティール(12年生まれ、16年ドバイ・ターフなど3勝)&ラヴズオンリーユー(16年生まれ、21年BCフィリー&メアターフなど5勝)
- ソダシ(18年生まれ、21年桜花賞など6勝)&ママコチャ(19年生まれ、23年スプリンターズS)
こうした名馬たちの事例が示すように、ミニトランザットにも姉イフェイオンに続く重賞制覇の期待が高まる。デビューから2戦目での挑戦は決して容易な道ではないが、血統の力が後押しする今回のレースは見逃せない。
果たして、杉山厩舎の新たな歴史を刻む瞬間が訪れるのか。その結果に注目したい。
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