アルナシーム、中距離転向で重賞2勝目!藤岡佑介騎手の完璧エスコート
2025年の中央競馬が開幕する中、1月5日に行われた第74回中山金杯(G3、中山芝2000メートル)で、4番人気に支持されたアルナシームが見事な勝利を収めた。鞍上の藤岡佑介騎手は、前走のマイルチャンピオンシップ11着から一変させ、アルナシームを完璧にエスコート。この勝利で同馬は昨年の中京記念に続き、重賞2勝目を飾った。
藤岡佑介騎手の冷静な判断が勝利を呼ぶ
道中、アルナシームは中団の内めで体力を温存し、最後の直線で一気に突き抜けた。前半1000メートル通過が58秒7というハイペースの中でも、馬群での折り合いに集中し、勝負どころで外に持ち出すと強烈な末脚を発揮。結果的に2着馬に1馬身1/4差をつける快勝劇となった。
藤岡騎手は「前走にはない手応えで4角を回ってこられたし、ステッキに反応してくれたので勝ったなと思いました」とコメント。デビュー22年目にして初めての金杯制覇を果たし、「とても嬉しいです」と笑顔を見せた。
中距離転向が奏功!モーリス産駒の本格化
アルナシームはこれまでマイルから1800メートルを主戦場としてきたが、昨年のマイルチャンピオンシップではペースに追われ11着。「2000メートルの方が合う」と感じた藤岡騎手は、同じ中京記念を制した横山典弘騎手に相談し、中距離転向を進言。これが見事に功を奏し、重賞2勝目を手にした。
橋口慎介調教師は「体つきも精神面も以前とは全く違う。今がピークです。この先が本当に楽しみです」と馬の成長ぶりを実感。次走は1戦挟み、大阪杯(G1、阪神芝2000メートル)を春の大目標に据える計画を明かした。
藤岡佑介騎手、悲しみを乗り越えた勝利
この勝利には、藤岡騎手にとっても特別な意味がある。昨年4月に弟の康太騎手が落馬事故で亡くなるという悲しみを乗り越え、懸命にムチを振るい続けた一年を終えた藤岡騎手。新年早々に重賞を制し、「兄として、競馬で結果を残すことが一番の供養」と語る姿に、競馬ファンからも多くのエールが送られた。
良血馬アルナシームが中距離路線に新風を吹き込む
アルナシームの父はモーリス、母はジュベルアリ(父ディープインパクト)という良血馬。叔父には日本ダービー馬シャフリヤールや皐月賞馬アルアインがいる血統背景を持つ。馬名の由来であるアラビア語の“海風”のように、中距離路線に新たな風を吹き込む存在となるか、今後の活躍に期待が集まる。
次走は大阪杯に照準を合わせ、さらなる飛躍を目指すアルナシーム。新たなステージでの挑戦が楽しみだ。
驚異の馬券率5割!2ケタ人気でもお構いなしの「トレンド傾向」該当馬
新年の競馬界を飾る恒例の一戦、中山金杯(G3、中山芝2000m)が1月5日(日)に開催されます。このレースは、ハンデ戦ならではの波乱の展開が期待される一方で、2ケタ人気の馬が上位に食い込む場面も珍しくありません。今年も荒れる可能性を秘めた注目の一戦です。
そんな中山金杯には、近年の傾向として無視できない“トレンド”が存在します。それは「前走が3勝クラスまたはオープン戦の馬」が好成績を残している点です。
過去の中山金杯「前走クラス」別成績(過去5年)
- 3勝クラス:[2-1-0-5] 複勝率37.5%
- オープン:[1-1-2-16] 複勝率20.0%
- G3:[2-1-2-27] 複勝率15.6%
- G2:[0-0-0-8] 複勝率0%
- G1:[0-2-1-13] 複勝率18.8%
これを見ると、重賞経験馬よりも、勢いのある3勝クラス・オープン戦組の馬が上位に食い込むケースが目立ちます。
過去の該当馬(過去5年の好走馬例)
- 2024年3着:マイネルクリソーラ(6人気)→前走アンドロメダS2着
- 2023年1着:ラーグルフ(1人気)→前走3勝クラス1着
- 2022年1着:レッドガラン(4人気)→前走リゲルS3着
- 2021年1着:ヒシイグアス(1人気)→前走3勝クラス1着
- 2021年3着:ウインイクシード(11人気)→前走ディセンバーS5着
- 2020年2着:ウインイクシード(6人気)→前走ディセンバーS2着
特に注目すべきは、21年のウインイクシードが11人気で3着に食い込んだケースのように、2ケタ人気の馬も馬券圏内に入っている点です。この傾向を見逃す手はありません。
「前走1〜5着」に注目
また、前走の着順も重要なポイントです。前走で1〜5着に好走していた馬は、以下のように高い複勝率を誇ります。
- [3-2-2-7] 複勝率50%
これまで挙げた6頭もすべて「前走1〜5着」の成績に該当しており、同じ条件に当てはまる馬は期待値が高いといえます。重賞実績馬よりも斤量が軽くなることが多いため、これが活躍の一因でしょう。
2025年のトレンド該当馬「ボーンディスウェイ」
今年の中山金杯で、このトレンド傾向に該当する馬が「ボーンディスウェイ」です。
- 2025年 ?着:ボーンディスウェイ(?人気)→前走オクトーバーS1着
ボーンディスウェイは、前走オクトーバーS(東京芝2000m)で0秒3差の快勝を収めました。このレースで下した相手には、後にチャレンジCを制したラヴェルなどの実力馬も含まれており、勝利の価値は十分に評価できます。
さらに、ボーンディスウェイは2024年の中山金杯でも2番人気に支持され、小差4着に粘る実績があります。中山コース適性も証明済みで、再び好走する可能性は十分にあるでしょう。
まとめ
過去5年のデータからも明らかなように、中山金杯では「前走が3勝クラスまたはオープン戦」出走馬が好成績を残しており、特に前走1〜5着に好走した馬には注目が必要です。今年のレースでは、前走オクトーバーSを快勝したボーンディスウェイがこのトレンドに該当します。
ハンデ戦の波乱を呼び込む“トレンド傾向”を見逃さず、馬券の組み立てに活かしていきましょう!
危険な人気馬に要注意!前走GI組を“消し”にする3つの根拠とは?
2025年の競馬シーズン幕開けを飾る第74回中山金杯(GIII、芝2000m)が、中山競馬場で行われます。今年も注目馬が多数出走する中、特に注目を集めているのが函館記念勝ち馬のホウオウビスケッツ。しかし、同馬には人気ほどの信頼を置けない理由が複数あるため、今回のレースでは思い切って「消し」とする考えを紹介します。
ホウオウビスケッツの戦績と魅力
ホウオウビスケッツは昨年、重賞戦線で安定した力を見せ、夏の函館記念で初重賞制覇を果たしました。その後、毎日王冠ではコンマ1秒差の2着、天皇賞(秋)でもコンマ3秒差の3着と、GI戦線でも互角に戦える力を示してきました。明けて5歳となる今年、さらなる飛躍が期待されています。
しかし、今回は斤量面や展開、鞍上の乗り替わりなど、不安材料が目立つ一戦です。ここではホウオウビスケッツを危険視する3つの根拠について詳しく解説します。
斤量負担が重すぎる
今回、ホウオウビスケッツは59.5キロというトップハンデを課されました。毎日王冠や天皇賞(秋)の好走が評価されての斤量ですが、あくまでもGIII1勝馬に過ぎない同馬にとっては酷量といえます。
過去10年の中山金杯で、59キロ以上の馬が出走した例はなく、58.5キロの馬の成績は【0.0.0.2】。58キロの馬も【2.1.0.5】と苦戦傾向が見られます。勝利したのは、重賞を複数回勝っていたウインブライト(2019年)やトリオンフ(2020年)など、実績豊富な馬に限られます。
ホウオウビスケッツは重賞1勝のみの実績に留まるため、今回の59.5キロという斤量は、さすがに背負わされすぎた印象です。
逃げ馬にとって厳しいコース傾向
ホウオウビスケッツは、これまでの好走パターンが「逃げ」によるものが多い点も気になります。過去10年の中山金杯で、逃げ馬の成績は【0.1.2.7】。一度も勝利を挙げていないことがわかります。
さらに、前走で逃げた馬の成績も【1.0.0.9】と芳しくなく、59.5キロを背負って逃げ切るのは至難の業といえます。中山の芝2000mは、最後の急坂が特徴であり、逃げ馬にとっては特に厳しいコースです。ペースを作れたとしても、最後の坂で捕まるリスクが高いでしょう。
鞍上の不安要素
ホウオウビスケッツは、これまで岩田康誠騎手とのコンビで結果を出してきましたが、今回は騎乗停止によりH.ドイル騎手との初コンビとなります。この乗り替わりもマイナス要素と考えます。
H.ドイル騎手は2022年秋に短期騎手免許を取得して来日して以来、昨年まで3年連続で参戦していますが、重賞勝ちはまだありません。オープン以上のレース成績は【0.0.2.25】と、勝ち切る場面が少なく、特に中山芝コースではわずかに1勝のみと、苦戦傾向が見られます。
乗り慣れた鞍上からの乗り替わりは、レース中の意思疎通の面でも不安が残り、特に斤量を背負っての逃げ戦法を取る場合はリスクが大きいです。
まとめ
ホウオウビスケッツは、GII・GI戦線で見せた好走から、GIIIの中山金杯なら勝ち負けできると見る向きもあります。しかし、59.5キロの酷量を背負わされる点、逃げ馬が苦戦するコース傾向、鞍上の乗り替わりという3つのマイナス要素を考慮すると、今回は「消し」とするのが賢明と判断します。
特に、重賞1勝馬であるホウオウビスケッツが、トップハンデを背負って結果を残すのは簡単ではありません。ハンデ戦という特性を踏まえると、ここで無理に買い続けるよりも、他の妙味ある馬を狙った方が、回収率の向上につながる可能性が高いでしょう。
前走4角5番手以内から連対の複回収率は150%!データが導く穴馬候補3頭
2025年の中央競馬開幕を飾る中山金杯は、中山芝2000mを舞台に古馬が激突するハンデキャップGⅢレース。直近6年の3連単配当がいずれも400倍を超える波乱の傾向が強く、ハンデ戦らしい人気薄の好走が期待される一戦だ。
そこで今回は、データを基に浮上した3頭の穴候補をピックアップ。各馬の特徴や注目すべきデータポイントを詳しく解説する。
ハンデの恩恵を受ける新星 ショウナンアデイブ
最初に取り上げるのはショウナンアデイブ。2020年のセレクトセールで5億6100万円(税込)の高額取引馬だが、条件戦突破までには時間がかかった。しかし、前走の修学院Sを制してオープン入りを果たし、初の重賞タイトル獲得を狙う。
この中山金杯において特に注目すべきデータは、前走クラス別成績だ。過去10年のデータでは、前走3勝クラス組が【2-1-2-12】複勝率29.4%、複回収率108%という成績を残している。また、前走も2000mだった馬に限定すると【2-1-2-3】複勝率62.5%、複回収率230%と成績がさらに向上する。
ショウナンアデイブの前走は1000m通過が58.8秒のやや速い流れを3番手で追走し、直線では差し馬に抜かれそうで抜かせない勝負根性を発揮。勝ち時計1分57秒8は、同コースのアンドロメダS(L)やチャレンジC(GⅢ)よりも速かった。
ハンデ戦で重要なのは、実績よりも現在の能力が問われる点だ。ショウナンアデイブは条件戦を突破したばかりの新星として、斤量の恩恵を最大限に受けられる可能性が高い。
先行力が武器 ボーンディスウェイ
次に注目するのはボーンディスウェイ。昨年の中山金杯では2番人気に支持されながら4着と惜敗したが、2走前からブリンカーを着用してパフォーマンスが向上している。
中山金杯の舞台となる中山芝2000mは、年末までのAコースから仮柵を移動して開催されるため、内有利の馬場となりやすい。今年はBコースでの開催だが、コース替わり初週のフルゲートでは、依然として内目先行有利の傾向が続くと考えられる。
データでも先行力の重要性が示されている。過去10年の成績では、前走で4角を5番手以内で通過した馬が【8-4-6-48】複勝率27.3%、複回収率88%と好成績。一方、4角を6番手以下で通過した馬は【2-6-4-83】複勝率12.6%、複回収率30%と大きな差がある。
特に「前走4角5番手以内から連対した馬」は【4-3-3-10】複勝率50.0%、複回収率150%という驚異的な数値を誇る。この条件を満たすボーンディスウェイは、先行力を武器に上位争いが期待できる。
また、3歳時には弥生賞でアスクビクターモア、ドウデュースといったGⅠ馬に0.1秒差の3着という実績がある。近走ではブリンカー効果で集中力が増し、前走オクトーバーSでは後続に0.3秒差をつけて快勝。進化した姿を見せており、昨年以上の結果が見込める。
中山巧者のジョッキーが騎乗 アルナシーム
最後に紹介するのはアルナシーム。ドウデュースやセリフォスと同世代の朝日杯FSで4着に入った実力馬で、今回は藤岡佑介騎手が騎乗予定だ。
藤岡騎手の中山での騎乗成績は非常に優秀で、過去5年間で【7-1-5-32】複勝率28.9%、単回収率154%、複回収率172%という好成績を収めている。年間の中山遠征は限られているが、その機会をしっかりと結果に結びつけている点は見逃せない。
アルナシーム自身も左回りでは結果を出せていないが、右回りの1800m戦では安定した成績を残している。エプソムCや富士Sの敗戦は左回りの苦手さが影響しているため、度外視可能だ。
2000mの距離には一抹の不安があるが、以前に比べて折り合いがつくようになっており、スタミナが要求される展開になれば十分に対応可能だ。むしろ距離不安が懸念されて人気を落とすようであれば、妙味はさらに増すだろう。
結論
今回の中山金杯では、ショウナンアデイブ、ボーンディスウェイ、アルナシームの3頭を穴候補として推奨する。いずれもデータ面で魅力があり、展開次第で上位争いに加わる可能性が十分にある馬たちだ。
新年の幕開けを飾る一戦で、波乱を演出するのはこの3頭かもしれない。回収率を重視する馬券戦術を駆使して、2025年の競馬を幸先よくスタートさせよう。
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