2024年12月1日、ホッカイドウ競馬に新たな騎手が誕生する。札幌市出身の渡辺準己さん(27)がNAR地方競馬全国協会の令和6年度第2回騎手免許試験に合格。競馬学校を経ずに挑む「一発試験」を突破し、厩務員としての経験を活かした挑戦が見事に実を結んだ。
合格発表の20日、渡辺さんは笠松競馬場から北海道への馬運車の中で吉報を受けたという。「電話が鳴りやまず、SNSもすごいことになって驚きました。ほっとした気持ちと同時に、やったぞ!という達成感がありました」と笑顔を見せる。
アイスホッケーから競馬界へ、異色のキャリア
幼少期からアイスホッケーに打ち込んできた渡辺さんは、北海高、日体大と進み、スポーツの世界で活躍。しかし、卒業後は全く異なる馬の世界に魅了される。総合牧場での8カ月の勤務を経て、10年連続リーディングトレーナー・田中淳厩舎の門を叩いた。その厩舎での厩務員時代、1歳下の落合玄太騎手の活躍を目の当たりにし、「人生を後悔したくない」という思いから騎手を志した。
「担当馬が勝ったときはうれしい半面、騎手として乗れない悔しさが大きかった」と振り返る渡辺さん。その思いを胸に、厩務員としての業務をこなしながら1日約3時間の勉強を続け、休日はほぼ終日机に向かう日々を過ごした。
苦労を乗り越え掴んだ夢
体重管理のために15キロの減量に成功した努力も、競馬界への強い覚悟を表している。「北海高時代のテスト週間を思い出しました。ホッケーで鍛えた体幹の強さは馬乗りにも活かされています。ただ、あの頃は体重を増やすのが日課でしたが、今は正反対の生活です」と冗談めかして語る。
目指すは「リーディング1位」と語るその瞳には揺るぎない自信と情熱が宿る。来季ホッカイドウ競馬の開幕とともに、渡辺さんが見せるゴール量産に注目が集まる。
こんな熱いストーリー、応援せずにはいられないですね!アイスホッケーから競馬界という異色のキャリアを歩む渡辺さん、来季の活躍が本当に楽しみです。