G1・5勝目を挙げたジャパンC後、次のステージへ
ジャパンCで見事な追い込みを見せ、G1・5勝目を飾ったドウデュース(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎、父ハーツクライ)が、12月22日の有馬記念・G1(中山競馬場・芝2500メートル)をラストランとし、現役を引退することが正式に発表された。管理する友道調教師が11月26日に明らかにしたもので、これにより年末のグランプリで競走馬としてのフィナーレを迎えることになる。
友道調教師は「今日もプールでの運動をこなし、馬の状態は非常に良い。カイバもしっかり食べており、ジャパンCの疲れは全く見られない」と語り、レースへの自信をのぞかせた。さらに、昨年の有馬記念での敗戦を振り返りつつ「今回は勝ち星を手にした状態で臨める。有馬記念に向けた調整も順調に進んでいる」と期待を寄せた。
秋古馬三冠と有終の美を目指して
現在、天皇賞・秋からジャパンCと連勝中のドウデュースは、年末の有馬記念でG1・6勝目を狙う。有馬記念を勝利することで、2000年のテイエムオペラオー、2004年のゼンノロブロイ以来、史上3頭目となる秋古馬三冠を達成するチャンスが広がる。これに加え、達成者には褒賞金2億円が贈られる制度が設けられており、注目度はさらに高まっている。
騎乗する武豊騎手は「昨年もこのレースに挑んでおり、コース特性は熟知している。特に中山はコーナーが多いので、直線でかかる心配も少ない。自信を持って臨みたい」と語り、連覇への意欲を見せた。
ジャパンCで証明された強さ
11月24日に東京競馬場で行われたジャパンC(芝2400メートル、14頭立て)では、ドウデュースが超スローペースの中、後方から直線で一気に全馬を抜き去る衝撃的な勝利を収めた。勝ちタイムは2分25秒5。このレースでは1000メートル通過が62秒2という異例のスローペースながら、武豊騎手の冷静な騎乗と馬の爆発力が光った。
武騎手はレース後、「このメンバーで外を回して馬なりで飲み込める馬は他にいない。有馬記念でも、去年の経験が活きて勝機は十分ある」とコメント。競馬ファンからも「ドウデュースの700メートルのロングスパートは驚異的」といった声が多数寄せられ、現役最強馬としての評価がさらに高まった。
グランプリでのラストダンスに注目
12月22日の有馬記念は、ドウデュースにとって最後のレースとなる。2歳時からクラシック戦線を駆け抜け、数々の名レースを演じてきた同馬が、有終の美を飾る姿に注目が集まる。武豊騎手との長年のコンビがどのような奇跡を見せるのか、競馬ファンの期待は最高潮に達している。